デジタル化が再編を促すきっかけに?
少子高齢化の進行や女性の社会進出で、自宅に居ながらして注文、宅配してもらえるサービスは拡大する一方。特にこの1年は外出自粛や店舗での〝密〟を避けるなど、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、急速にネットスーパーの需要が拡大している。
ネットスーパー事業では昨年、楽天が米投資ファンドのKKRと組んで西友の株式85%を取得。楽天と西友が組んでリアル店舗とネットを組み合わせたモデルを展開。また、セブン&アイ・ホールディングスがアスクルと提携、イオンも英ネットスーパー・オカドと提携し、海外のノウハウを日本に持ち込もうとしている。ネットとリアル店舗の融合はこれからが本番だ。
昨今は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を各業界で聞くようになったが、あるアナリストは「食品スーパーの再編はこれまで人口減少や後継者問題がキーワードだったが、今後はデジタル化が再編を促すきっかけになる」と指摘。
ネット企業はリアル店舗を欲しがるし、リアル企業はネットを欲しがる。「今はコロナ禍の巣ごもり需要で一息ついているが、他社より早く陣取り合戦をしたいのはどこも同じ」(スーパー幹部)という声が聞かれる中で、今後はDXを切り口に企業の再編や合従連衡も起こりそうだ。