2023-11-28

世界連邦運動協会会長・大橋光夫の訴え「地政学リスクが高まる今、日本の被爆から始まった『世界連邦運動』を世界的運動に」

大橋光夫・世界連邦運動協会会長(レゾナック・ホールディングス名誉相談役)




「我々は日本人である前に地球人なのだ」という思い

 ─ 大橋さんはどんな経緯で世界連邦運動協会の会長に就くことになったのですか。

 大橋 私の前任の会長が、海部俊樹元首相だったのですが、22年にご病気で亡くなられて以降、会長は空席でした。ただやはり、会長が不在だと、活動の動きは鈍くなることから、関係者は後任の必要性を痛感していたようです。

 実は、この世界連邦運動にかかわる組織は世界中にあります。そこに日本としても参加しているということですが、残念ながら、世界連邦運動に関する各国の組織は個別では動いていても、世界全体で共同で活動しようという意識にやや欠けているように見えます。

 ─ 日本は実際に核を落とされている国ですから、他の国以上の思いがありそうですね。

 大橋 そうです。その意味では、世界の中でも熱心な国だと思います。これを、世界全体の運動として、さらに強力なものにしていくこと。世界連邦が夢ではなく、実現可能性のあるところまで行けば、地球と人類は救われると言っても過言ではありません。

 私自身、『私の履歴書』(日本経済新聞社)や、他の新聞にも掲載した記事を集めて制作した『我ら地球人』という題名の冊子を出していますが、この時に私自身の思いとして「我々は日本人である前に地球人なのだ」ということを考えていましたから、それを題名にしました。

 もう1つ、妻は女性の集まりの中で、世界連邦の実現以外に将来、地球と人類が繁栄する術はないという考え方について頻繁に話し合っていたのです。そうした中で妻は亡くなるわけですが、亡くなった日が9月21日で、国連が定めた国際平和の日だったのです。

 ─ 会長就任にあたっては、こうした様々なご縁があったと。

 大橋 ええ。お声がけがあったのも、書いたものその他をご覧になって、私が世界連邦に対して強い関心を持っているだろうと思われたのだと思います。

 ただ、私自身、この年齢でこのような重い役割をお引き受けすることは随分迷いました。ただ、妻の活動もあり、「私がやっていたことなんだから、引き継いでやって下さい」と言われているような気がしてお引き受けをし、今に至っています。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事