2022-02-03

林芳正・外務大臣に直撃!地政学リスクの高まる中、日本の外交の基軸は?

林芳正・外務大臣



北朝鮮の拉致問題、韓国への対応


 ─ ところで、北朝鮮との間では拉致問題という未解決の問題があります。この課題への対処は?

 林 北朝鮮の拉致問題は、我が国の最重要課題だと思っています。岸田総理ご自身が、条件を付けずに金正恩・国務委員長と直接向き合うという決意を述べてきておられます。全ての拉致被害者の1日も早いご帰国を実現すべく、全力で取り組まなければならないと思っております。

 昨年12月、拉致被害者家族会の前代表である飯塚繁雄さんがお亡くなりになりました。お悔やみを申し上げ、ご冥福をお祈りするばかりですが、ご家族が高齢化される中で、本当に待ったなしの課題であるという認識を強めております。

 ─ 併せて、韓国とは近いにもかかわらず、日本との間には課題のある国ですが、どういう外交を進めていきますか。

 林 韓国も重要な隣国であり、日韓関係は大事だと思っていますが、一方で国と国との間の約束をしっかり守っていただくことが大変大事だと考えています。

 先日のG7に招待国として韓国の外相も出席されており、先方から来られたので立ち話になったのですが、私からは旧朝鮮半島出身労働者問題、慰安婦問題等、日本の一貫した立場をしっかりとお伝えをして、韓国側に適切な対応を強く求めておいたところです。

 北朝鮮への対応を始め日韓、日米韓の協力の重要性を両外相の間で改めて確認した上で、日韓関係を健全な関係に戻すように外国当局間の協議、意思疎通を加速していくことで一致をしたところです。

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