2021-06-05

【総務省】マイナンバーカードの申請急増も交付追い付かず

マイナンバーカードの申請件数が急増している。総務省によると、4月21日時点の累計が4767万枚に上り、昨年9月から1800万枚以上の増加。消費喚起策「マイナポイント事業」の期間延長などの普及拡大策について、武田良太総務相は「効果が表れてきている」と手応えをアピールしている。

 武田氏は、副大臣や政務官と共に普及促進チームを発足させ、企業や団体にトップセールスを展開。2022年度末までにマイナンバーカードをほぼ全国民に行き渡らせることを目指し、自ら先頭に立っている。現時点で目標達成は難しいとの見方はあるが、「あきらめることなく、ありとあらゆる英知と力を結集させる」と意気込んでいる。

 政府は、マイナポイントの期間延長以外にも、普及拡大策を次々に打ち出している。政府広報のテレビCMに俳優の堺雅人さんを起用。併せて、カードをまだ取得していない人に、スマートフォンからも申請できる申請書を送付し、年明けから申請数が急増している。

 一方、普及への起爆剤と期待していた健康保険証との一体利用は延期となった。システムの試行段階で不具合が生じ、3月中を予定していた本格運用の開始が10月にずれ込む。

 また、ここにきて課題となっているのが、カード交付の遅れだ。急増する申請に対し、市区町村の交付業務が追いついていない形で、総務省は、窓口の増設や土日を含む時間外対応など、市区町村に体制の強化を要請している。

 ただ、市区町村は、新型コロナウイルスワクチン接種への対応にも追われている。5月の連休明けにはワクチンの供給が本格化し、高齢者への接種を急ぐ。政府は高齢者への接種を7月末までに完了させる目標を掲げており、関係者からは「今年の夏はマイナンバーカードにワクチンで大変だ」と市区町村を気遣う声も出ている。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事