2023-12-19

フォースタートアップス社長・志水雄一郎「日本で唯一の『総合成長産業支援企業』として『人』の可能性を掘り起こす仕事を」

志水雄一郎・フォースタートアップス社長

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海外の大手企業と日本のスタートアップの連携も

 当社は、日本で唯一と言っていい「総合成長産業支援企業」です。起業支援・人材支援、スタートアップと大企業をつなぐオープンイノベーション、スタートアップデータベースの開発・運営、中央省庁や地方自治体と連携したパブリックアフェアーズ、子会社でベンチャーキャピタルを手掛けています。

 2023年11月16日には、国内最大規模となるスタートアップに関するグローバルカンファレンス「成長産業カンファレンス 2023」(GRIC 2023)を、東京・渋谷ヒカリエで開催しました。

 非常に手応えは感じましたが、まだ成長過程にあるカンファレンスだとも考えています。最初はコロナ禍で始めたのですが、当時はオンラインで開催するしかありませんでした。今回も、コロナが完全に収束していない段階で会場を予約しましたから、リアルとオンラインのハイブリッド形式での開催としました。

 それでも登壇者・参加者の約3割が海外からでしたし、今回参加したLVMHなど海外の大手企業が日本のスタートアップとの協業や投資を通じて、新たなものを生み出すというストーリーも始まっています。さらにはこうした事例を見て、海外の大手カンファレンスとの提携の話も浮上しているのです。

 ですから次回、このカンファレンスは日本の民間企業における成長産業カンファレンスの中心的存在となり、ピッチで受賞した企業が世界で勝負するきっかけになれたらと思います。


「今」や「未来」は自分の力で変えられる!

 22年11月に岸田政権が「スタートアップ育成5か年計画」を発表し、日本においてスタートアップ支援は国策となりました。私は5年か10年かというスパンは別にして、今後日本でスタートアップ投資が現状の10倍になるのは間違いないと考えています。今、日本では「新産業を創る」という意志が強くなっているからです。

 ただ、日本の全労働人口におけるスタートアップ勤務者の割合は1.1%で、その多くは東京に集中しているという現状があります。これをもっと全国に広げていく必要があります。

 また、スタートアップが成長するためには優秀な「人」の獲得がカギを握りますが、今や報酬体系も含め、スタートアップのライバルは日本の大企業ではなく、外資のITやコンサルティングファームになっています。この「人」の課題の解決には、我々が持つ機能がお役に立つことができます。

 我々は創業時、「データドリブンなハイブリッドキャピタルをつくり成長産業を支援する」というテーマを掲げました。この時の「ハイブリッド」は「人」と「お金」です。

 従来の日本のスタートアップ支援は「お金」が中心でした。しかし大事なのは起業すべき人が起業し、そこに勇気を持った仲間を集わせることです。日本にその役割を担うプレーヤーがいなかったことは、私が起業する動機の1つにもなりました。

 私は「人」の可能性を信じています。大人になるに従って、人は自らの可能性を諦めていくことが多いですが、若者や子供に可能性を信じさせることは大人の役割だと強く思います。私がスタートアップ支援の仕事を通じて多くの方に伝えたいのは「今」や「未来」は自らの意志で変えられるということです。

 私自身、そのことに気づいたのは10年ほど前ですから、遅すぎるということはありません。人には可能性があり、それを追求した時に社会、未来は変わるのだということを伝えることが、私が生きている意味だと思っています。

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