2023-12-04

【米不動産投資家】サラトガ代表・星野祐一「日本は投資立国、インバウンド立国、海外で稼ぐこと。この3つでまだ成長できる」

星野祐一・サラトガ代表

分断・分裂が言われるアメリカだが「大半はバランスを大事にする国民。メディアが対立を煽っている面がある」と指摘する星野氏。自身はハーバード大学大学院を修了、投資の世界に飛び込み、アメリカを拠点に活動してきた。「米国は自ら市場を切り開くのに対し、日本は政府が何をしてくれるかを期待する人が多い」と指摘しつつ、日本も今後「投資立国、インバウンド立国、海外で稼ぐ」の3つに取り組めば成長できるとする。星野氏の投資哲学とは─。


米国在住者が見たアメリカの今

 ─ 星野さんはアメリカで不動産投資や不動産管理ビジネスを手掛けているそうですね。

 星野 そうです。米国に住んで30年以上になりますが、2020年からはコロナを契機にコロラド州アスペンに移住し、シカゴ、東京と多拠点生活をエンジョイしています。

 ─ アメリカは分断が進んでいると報道されていますが、現地の目線ではどうですか。

 星野 決定的に分断しているというような報道もありますが、それは若干誇張もあると思います。CNN、3大ネットワーク(ABC、NBC、CBS)、FOXニュースなど、イデオロギーの左右を問わず、分断を煽るような報道をしています。

 表現は悪いかもしれませんが、左からも右からもノイジーマイノリティの意見が大きく取り上げられて、対立が深刻化しているかのように取り上げられているのです。しかし実はサイレントマジョリティがおり、そうした人たちが基本的にキャスティング・ボートを握っているのだと思います。

 ただ、トランプが登場して以降は、共和党と民主党の対立は先鋭化しています。政策面では、保守派とリベラル派の差は、中絶、ガンコントロールといった社会問題以外は、あまりないような気がしますが。

 ─ 星野さんがアメリカに行こうと考えた動機は?

 星野 時代背景ですが、私が大学を卒業した1979年には社会学者のエズラ・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いています。また、その10年後の89年には石原慎太郎さんと盛田昭夫さんが『「NO」と言える日本』という本を出しています。

 この89年に、私は当時の日本株を全て売却して、アメリカに渡ることにしました。決意自体は20代の後半くらいで、アメリカにはもっと楽しいことがあるんじゃないかと思ったことがきっかけです。

 ─ ハーバード大学ケネディスクールを修了していますね。政治学にも興味を持っていた?

 星野 起業し民間で生きていこうと思っていましたが、パブリックセクターとプライベートセクターがどう影響し合って、全体の調和に導かれるか、あるいは、意図しない結果をもたらし得るか、に興味がありました。ビジネススクールよりはリベラルアーツ系の方が面白そうだと感じたんです。

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