「本社で働きたい」ある社員の質問に…
─ 物流施設も、非常に大きな柱になっていますね。
芳井 引き続き、物流という軸は今後も伸びると見ています。いつまで伸びるかは計り知れません。特に「2024年問題」が出てきた時に、国土交通省、厚生労働省を始め、どう動かれるのか。
そうした動きを見ながら、我々が世の中に提供できるもの、提供できる場所、それに私達が社業として取り組むことというのは、大いにチャンスがあると思っています。
─ ところで芳井さん自身も大和ハウス工業には中途入社していますが、今も中途入社を積極的に行っていますか。
芳井 はい。積極的と言いますか、常に中途採用しています。会社に合う、合わないはあると思いますが、見ていると合う人の方が多いようです。合わない人は「こんなに忙しいとは」という方が多い(笑)。
ただ、仕事は厳しいかもしれませんが、この会社で、例えば営業を経験すれば、我々は絶対に他社でも通用すると見ています。大和ハウス工業の営業は「無」から「有」を生もうとする仕事で、単なるセールスではないんです。
先日、ある支店の2年目の社員からの質問を受けました。その人は地方の支店に所属していますが、「支店ではなく、大阪や東京の本社で自分は頑張りたいんです」と書いてありました。
─ どのように返答をしたんですか。
芳井 私の答えとしては、本社で働きたいという考え方もなきにしもあらずだと。でも、地方の良さは仕事を1から10まで自分でやることです。1から10までの仕事は、決して本社で覚えることはできません。
本社では、ある意味で「パーツ」になり、他の工程をやってくれる人達がいます。それはそれで貴重な仕事ですが、全てを自分でやることで仕事の流れを知れば、他のどこに行っても差配ができるようになると答えたんです。
─ いい話ですね。芳井さんが社員を育てる上で大事にしていることは?
芳井 基本的なことですが、話を聞くことです。そのために質問しやすい雰囲気に持っていっておかないといけないと心がけています。たくさんの支店に足を運んで質疑応答をやっていますが、いかに質問しやすくするか、そして答えをわかりやすく伝えること、これを意識しています。