創業100周年の売上高 10兆円を目指して
─ 創業100周年の2055年に売上高10兆円という目標を掲げていますが、現状はどうですか。
芳井 22年度から26年度までの第7次中期経営計画では、売上高5兆5000億円まで行く見通しです。
1年目で約4兆4300億円から4兆9000億円くらいまで伸ばしていますから、実態として「大和ハウスは目標を達成するだろうな」という目線で皆さんに映ったのではないかと思います。
中計期間中の5年間に1兆1000億円伸ばす計画で、年割で言うと2200億円ですが、そのほぼ倍を1年間で伸ばしているわけです。
─ コロナ期間中にも関わらず業績を伸ばしたと。
芳井 しんどかったですよ。中でもホテル事業は厳しい状況になりましたし。それもあり、リゾート事業を手掛けていた子会社の大和リゾートを売却することにしたのです。今後はお客様がリゾートホテルを建てられる時に建築を請け負うという形での関わりになり、我々が経営することはありません。
─ 商業店舗も事業の柱ですが、この動向は?
芳井 コロナ禍が一段落して、テナントさんの入れ換えが出ています。コロナ禍で伸びた企業は、ここからもう1回伸ばしていこうとしている一方、残念ながら縮小した企業もあり、強弱がついたマーケットになっているんです。
このマーケットの中で、残念ながら商業施設を継続するのが難しくなったという先に、我々が入っていくことで再生を図ることができる可能性がありますし、そこをスクラップしてしまって業態を変えるというチャンスもあります。
─ 首都圏と地方との地域差はありますか。
芳井 東京都内などは少し待てば復活すると思いますが、地方はなかなかそうはいきません。撤退すると人が帰ってこなくなりますし、放っておけば老朽化して見栄えの悪い建物になってしまう。そうしたものの再生を、ぜひ我々に手掛けさせてもらいたいというフィールドになってきていると思います。
─ 地方自治体からの依頼もある?
芳井 様々なご依頼を受けています。私達はほぼ日本中に支店を置いていますから、そこを通じて、日々いろいろなお話をいただきます。先程お話した「リブネスタウン」では「再耕」というテーマを掲げていますが、こうした言葉が地方の方々に響いているようです。
実はアメリカにもようやく商業施設で進出しています。大きくはありませんが、2つの商業施設をテストとして取り組んでいるところです。