2023-09-07

「もはや、ゲームだけの会社ではない」SNS、ゲーム、スポーツ…MIXIの3本柱経営

昨年、初のホテル併設型競輪場としてリニューアルした岡山・玉野競輪場



友達や家族が集まるきっかけや場所をつくる



 1999年の創業以来、SNS『mixi』や『モンスト』、子供の写真・動画共有アプリ『家族アルバム みてね』など、友人や家族と一緒に楽しむコミュニケーションサービスを提供してきたMIXI。

 日本発のSNSとして絶対的な地位を築いてきた同社の転機となったのが2013年のこと。06年の上場以来、13年度(14年3月期)に初めて最終赤字へ転落してしまったからだ。

 パソコンやガラケー(従来型の携帯電話)を中心に広がったミクシィだが、時代は徐々にスマートフォン時代へ移行。米フェイスブック(現メタ)やツイッター(現X)、韓国からLINEが続々日本へ上陸した。

 SNSやゲームは流行り廃りが早い上に、巨額の開発費や広告宣伝費が必要。そうした要因が重なり、一時期、ユーザー離れを招いてしまったのだ。

 この時、救世主となったのがスマホゲームのモンスト。苦境期だった2013年10月にリリースされると、瞬く間にヒット。今年6月には世界累計利用者数が6千万人を突破した。

 MIXIの23年3月期の連結業績は売上高1468億円(前年同期比20.4%増)、営業利益248億円(同39.4%増)と増収増益。モンストを含む、デジタルエンターテインメント事業は売上の約7割を占め、同社の屋台骨を支える事業へと成長した。

 SNS、ゲーム、スポーツと、約10年ごとに注力事業を変えながら成長してきたMIXI。

 ゲームはヒットするまでが大変だが、一度人気に火がつくと数年は課金などで安定した収益が確保できる。それでも発売から10年近くが経ち、同社も次の成長の柱が必要。そこで白羽の矢が立ったのがスポーツ事業であり、その先を見据えるのがインドへの投資というわけだ。

「特に10年という区切りを設けているわけではないが、常に新しいチャレンジは続けている。当社はゲームだけの会社ではなく、コミュニケーションをつくる会社。オンラインでも、オフラインでも、友達や家族が集まるきっかけや場所をつくり、皆で一緒に盛り上がれる場を創出したい」と語る奥山氏。

 群雄割拠のスマホゲーム市場。時代の変化に対応しながら、新事業の創出を目指すMIXIである。

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