2022-11-25

【株価はどう動く?】日本の個人マネーは新興株へ、「日本版ニフティ・フィフティ相場」到来か?



 年末に向けて上昇してくるのは、IPO銘柄など、新興のグロース(成長株)ではないかと見ています。

 なぜなら、この1年ほぼ売られてきた「GAFAM」などニューハイテク株の切り返しがあり得ること、岸田政権が「資産所得倍増」を打ち出したことで、政府が何もしなくても個人投資家が「貯蓄から投資へ」を強く意識し始めているからです。

 加えて、日本でも値上げのニュースが相次ぎ、徐々にインフレ的傾向が出てきています。つまり「貯蓄から投資」、「インフレ」への個人の意識が高まってきているのです。

 個人マネーは今、株式市場に入ってきていますが、彼らは既存の大企業の株を買うわけではありません。株式投資をやっていなかった層が、自ら調べて勉強して投資し始めているわけですが、短期間に値上がりしそうな新興ハイテク株、バイオ関連株、IPO銘柄を狙っています。

 最近上場した銘柄の中には、かなり上昇しているものもあります。例えばソシオネクスト(6526 プライム)などは上場時には3000円台でしたが、11月4日現在、6000円台を突破しています。

 また、pluszero(5132 グロース)は公開価格1650円に対し、初値は3805円、その後、こちらも6000円台まで上昇しています。

 一部の個人投資家はIPO銘柄で、すでに利益を上げ、再投資をしています。今後、年末に向けて日本の株式市場では「個別物色相場」が旺盛になって、ニューIPO銘柄を中心に、個人マネーが矢継ぎ早に入ってくる展開が予想されます。

 これは米国の1970年代、に起きた「ニフティ・フィフティ相場」と同じような展開です。当時、ニューヨークダウはそれほど上昇しませんでしたが、50社ほどの業績のいい銘柄が大きく上昇したのです。

 この年末にかけて「日本版ニフティ・フィフティ相場」が訪れる可能性があります。実際、日経平均は2万7000円台で揉み合いを続けていますが、短期間で大幅高となる銘柄が出てきており、こうした株を買っている個人がいます。

 これに加えて、前述のように利上げを織り込んでニューヨークダウ、ナスダックも上昇するということになると、新興IPO株、ハイテク株が牽引する株高が年末に向けてあり得ます。

 それに加えて、円安トレンドが続いています。財務省が巨額を投じて介入しても円安の流れは変わっていません。年末に向けて、さらなる円安となり、再度150円台をつけるようなら、これも株高につながります。今後は旺盛な個別物色相場が株価を引き上げる展開を予想しています。

 インフレでは、リスクを取らなければ利益を得られません。それを理解した投資家が今、リスクマネーを投じているのだと思います。最近上場した企業の値動き、業績、事業内容を徹底的に研究して、初値形成後の「セカンダリー」に注目するのも一つの方法です。

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