2022-04-21

SBI・北尾吉孝社長に直撃!新生銀行の公的資金返済、総合金融グループとしての成長の道筋は?

北尾吉孝・SBIホールディングス社長



新生銀行連結子会社化で「規模」と「ノンバンク」を手中に


 ─ 改めて、新生銀行をグループに入れた狙いと、そのメリットを聞かせて下さい。

 北尾 今の3メガバンクにしても、それぞれが3行、4行が統合してできていますから、今も申し上げたように規模を大きくすることは金融機関にとって大事なことだと認識しています。

 我々は今回の新生銀行の連結子会社化で、その規模を大きくすることができ、アセットが17兆円、資本も1.5兆円(2021年12月末)を超えたということで、大きな意味がありました。

 ─ 金融機関にとって規模はどんな意味を持ちますか。

 北尾 金融機関である以上、安心・安全は至上命題で、今回我々は、それを改めて規模で担保することができました。

 また、我々にとって総合金融グループとして抜けているものがいくつかあり、それらを全て持っているのが新生銀行でした。とりわけアプラス、レイク、昭和リースといったノンバンク領域は我々にないものでした。これらを持つことで、我々は国内外でも珍しい総合金融グループになったと思います。

 ─ 創業時から、証券だけでなく総合金融グループを志向してきたことが生きたと。

 北尾 そうです。我々は一個人として個人金融資産を持ち、リスクとリターンで、証券、銀行、保険などのどこに配分するかの意思決定をしています。そのポートフォリオの主体となる金融機関を全て持っておくことには大きな意味があります。

 もう一つ、ノンバンクは銀行よりも収益性が遥かに高い。我々は地方創生戦略を進めるべく、8行の地域金融機関と戦略的資本・業務提携を結んでいますが、各行の規模はそれほど大きくありません。昨今法律が改正され、銀行業務の範囲が広がりました。

 例えばこれまで、リース事業はある程度の規模がなければできませんでしたが、我々と連携すれば、地方銀行でも地元のお客様に提供できます。

 ─ 新生銀行とは連携について、かなり話し合いが進んでいるんですね。

 北尾 どんどん進んでいます。新生銀行とのシナジーを強化するために「新生会議」と呼ぶ会議を定期的に開いていますが、そこで様々な分野で両社の事業連携について打ち合わせています。新生銀行にいる方々にもどんどんメンバーに加わってもらい、一緒に銀行をよくしていこうと考えています。

 さらに、新生銀行の若手10名程からの質疑応答に私が答えるようなディスカッション形式の座談会も行っています。私以外にもSBI証券社長の高村正人など、当社グループの幹部とも実施しています。これから人材交流も活発にしていきます。

 ─ 人材交流ということは、新生銀行の人がSBIに来ることもあると。

 北尾 そうしたことをどんどんやっていこうと。それは強制的にではなく自ら手を挙げてもらうような形で進めます。こうした人材交流を行いながら、関係を密にしていく。お互いを知るということが一番大事と考えています。

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