2021-10-19

【第一工業製薬】坂本隆司会長兼社長「規模を追うのではなく、独自性を追求する『ユニ・トップ』企業を」

坂本 隆司・第一工業製薬会長兼社長

全てのステークホルダーが幸せになるために



 ―― 今後、第一工業製薬をどのように舵取りしていくか。その考え方を聞かせてもらえませんか。

 坂本 当社は2025年3月期を最終年度とする、5カ年の中期経営計画『FELIZ(フェリス) 115』を策定しました。

 FELIZというのは、「幸福」という意味を表すスペイン語でして、F(FUTURE=未来)、E(ENVIRONMENT=環境)、L(LIFE=生命)、I(INNOVATION=革新)、Z(Z・FLAG=挑戦)の頭文字をとったものです。

「未来」であるとか、「環境」、「生命」、「革新」というのは分かりやすいと思うんですが、最後の「挑戦」のZが難しくて、1905年(明治38年)の日露戦争の日本海海戦のZ旗の掲揚、「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ(この戦いに敗れれば後がない、だから一層奮起して頑張ろう)」と。

 そういうことで、全てのステークホルダーに幸福を与える企業でありたいという意味を込めてFELIZにしました。

 ―― 115というのは何ですか。

 坂本 115というのは、最終年度である2025年3月期が創業115周年ということです。

 わたしはアニメの『ムーミン』が好きで、ムーミンワールドはフィンランドなんですね。フィンランドというのは、世界でもっとも幸せな国でして、国連が発表する「世界幸福度報告書」の世界幸福度ランキングでも3年連続で1位になりました。

 人口が多いわけではないけれど、携帯電話メーカーのノキアがあったりして、先端技術を持っている。先ほど、花王さんの話をしましたけど、やはり、当社の特徴というのは、規模は小さいが、技術を持った会社であるということです。

 何をもって最も幸せな国というのか分かりませんが、例えば、ブータンも最も幸せな国と言われたりしますね。それでも、なぜ、わたしがムーミンのことを好きかと言ったら、作者であるトーベ・ヤンソンさんと誕生月が同じだからです(笑)。

 ―― そういうことでFELIZだと。

 坂本 ええ。やはり、当社の従業員やお客様、お取引先など、全てのステークホルダーが幸せにならないといけない。そのためにはどうすればいいかと考えて、FELIZという呼称にしました。

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