2024-03-13

ボルテックス社長兼CEO・宮沢文彦「オフィスビルを借りるだけでなく、『買う』という発想があっていい。不動産を活用した社会課題解決を」

宮沢文彦・ボルテックス社長兼CEO




あらゆるアセットを「小口化」できる

 ─ 創業から20年以上が経ちますが手応えはありますか。

 宮沢 まだまだですね。不動産業で750億円レベルは、まだ何もやらせてもらっていないと言っていい。数千億円の会社にならなければ、大手とは戦えません。今後10年前後で、1兆円をうかがえるところまで持っていきたいと思っています。

 そのために、今の事業をベースとして、その周辺を拡大しようと考えています。不動産の商材を区分化していくわけですが、そのサイズを大きくしていくとともに、自社開発にも力を入れていきます。

 さらに、オフィス以外のアセットタイプを増やしていきます。例えばホテル、物流倉庫、飲食店舗、テーマパークなど、様々なアセットの展開と小口化ができると思います。

 ─ 海外市場への展開はどう見ていますか。

 宮沢 東京に限っていえば、中古ビルは5000~6000棟ですから物理的限界があります。ですから商材を増やし、開発をするわけですが、場合によっては日本以外ということになります。それを試すために自己投資、共同投資で今、ハワイ、ニューヨークを手掛けている他、今後中東でも投資をしようと考えています。

 また、商材の多様化という意味では、軽井沢で超高級別荘事業を手掛けています。昨秋、軽井沢にその第1号物件が完成しました。今後はシリーズ化し、タイムシェア(別荘などのリゾート物件を1週間単位で購入し、所有できる権利)としての展開を予定しています。1つの物件を12人ほどの投資家で保有するイメージです。10億円の別荘を1人で所有するのは難しくても、共同所有であれば1人1億円に満たない額で所有できます。

 ─ 日本の少子高齢化は課題ですが、これに対応したビジネスの可能性は?

 宮沢 先程の富の偏在もそうですが、少子高齢化による地方の疲弊は解決していきたいテーマですね。不動産小口化商品やお客様への提案力で何かお手伝いができるのではないかと。

 例えば、今の高齢者施設は利用権の販売が主流ですが、もっと投資家のために相続対策の一環になるような高齢者レジデンスについては研究中です。

 今後も「マス」に照準を合わせるのではなく「希少性」を狙っていきます。我々はどうやったら儲けられるかという発想ではなく、「何をやるべきか」から入りますから、やるべきものを正しく見つければ、利益が出ないはずはないという考え方で事業を進めているのです。

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