2023-12-17

ビレッジハウス・マネジメント 代表取締役社長兼CEO・岩元龍彦「人手不足時代における旧・雇用促進住宅の新活用法」

「住宅を住み替えるのではなく、既存の建物を有効活用する」

 当社は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が保有する雇用促進住宅を民間売却した際、それらを一括取得して「ビレッジハウス」にリブランディング・リノベーションして賃貸住宅として提供しています。

テックビルケア・茶橋 昭夫社長「消防・建築防災設備をメンテ を通じて建物の未来を守っていく」

 全国47都道府県で1061物件、2908棟、10万6千戸の賃貸住宅を運営・管理する国内最大級の賃貸住宅サービス会社である当社の大きな役割の1つは、全産業で深刻化する人手不足の解決策の一助として期待される外国人居住者の受け皿を提供することです。日本の労働力の確保に対して間接的に寄与していると自負しています。

 例えば岐阜県中津川市の物件ではタイ国籍の技能実習生の住居として1棟(40人)を借り上げ、1階にはランドリーを新たに設置したり、日々、自動車部品工場で技能実習生として働く外国人が安全かつ快適に過ごせる環境を提供しています。築年数が約40年と古い物件ですが、リノベーションを施すことで居住者の方々には好評です。

 また、自動車部品メーカーにとっても自社で寮を建設したりする必要もなく、入居手続きなどは当社で一括して対応することができるため、本業に集中することができます。また、地元には居住者が増えることで地域創生にもつながっています。

 ビレッジハウスは主に敷金、礼金、手数料などの初期費用はなく、保証会社との契約も不要。月額家賃3万円台という低水準に設定し、入居手続きや初期費用を最小限に抑えることで、外国人のみならず、単身者やファミリーなど幅広い客層にも人気です。ただ、単に家賃が安いだけではありません。

 当社の強みが、多言語に対応できるスタッフを含め総勢100人ほどの体制で運営する自社コールセンターと日々の入居者との接点となる現地の管理人です。コールセンターでは新規の問い合わせから契約、家賃支払い、トラブル対応、解約に至るまで、あらゆる問い合わせを受け付けることができます。

 管理人も約540人を当社が直接雇用しており、全国に約150ある集中管理事務所ごとに5~6人が勤務。各物件を定期的に巡回しています。主に60~65歳の方々が「第二の人生として社会に貢献したい」「地元で働きたい」という思いを持って熱心に働いてくれています。

 入居者からの設備の不具合など日常的な相談はもちろん、家賃の支払に関わる相談などにも広く対応しています。この点ではシニアを積極的に雇用し、その活躍の場を創出しています。

 そんな当社は外国人の技能実習にも寄与する取り組みを始めています。当社と同じ米投資会社のフォートレス・インベストメント・グループの一員で、日本各地で140棟を超えるホテルを展開するマイステイズ・ホテル・グループとの協業です。

 2023年11月8日から当社が施設管理を行うホテルでの技能実習に特化した入国後講習施設「成田・ホスピタリティ・アカデミー」で第2期のフィリピン人技能実習生の受け入れを開始しました。今年6月から実施された第1期のベトナム人技能実習生に続く取り組みです。

 日本語や生活一般の学習プログラムに加えて、ホテル専門の講習プログラムも提供。マイステイズ・ホテル・グループの監修で構築した独自のプログラムを提供することで、技能実習生が実習先でも円滑なスタートができるようになります。

 たとえ古い建物でも発想を変えれば、労働力の確保や人づくりにも活用できるのです。

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