─ 次代を担う人材は育ってきていますか。
北尾 いろいろと教えてきてはいますが、やはり天賦の才、器の大きさというのは、ある程度必要なのかもしれないと思います。いずれにせよ、従業員55人で始めた会社が1万9000人を超え、業種も広がっている中で、全軍をまとめるというのは、どんなに優秀な人でも不可能です。私はゼロから手掛けてきたのでできるわけです。
そして経営トップと2番手以下では責任の重さが違います。その中で鍛えられるわけですが、私がバトンタッチする時も、やはり天助があり、天意が働いて「この人に」ということになるのだと思います。
─ SBIグループは総合金融として進んできていますが、今後の姿は?
北尾 最近は様々な機会に「金融を核に金融を超える」と言っています。お話した半導体事業への進出というのは、その一例です。
ただ、金融は全てに必要なものです。モノやサービスの動きの後ろには、全て金融が付いて回ります。ですから金融を核に様々なことを手掛けていく。そして「世のため人のため」にならないといけないという気持ちで、事業を進めています。