2023-09-15

アシックス・廣田康人社長に直撃!「コロナ禍ではeコマースで対応。今、パフォーマンスランニングで世界一を目指す」

廣田康人・アシックス社長CEO兼COO




日本の個人消費はどうなる?

 ─ コロナが一服した後の日本の個人消費をどう見ますか。

 廣田 物価も上がってきていますから、大変な方々もおられると思いますが、全体的に見ると消費意欲は強いのではないかと思います。我々は日本経済も違うフェーズに入ってきたと感じています。

 日本の方々は慎重ですから、一気に変わることはないですが、徐々にという感じです。賃上げは我々も実施しましたが、多くの企業が賃上げをしており、来年も続きそうです。それを皆さんが信用し、将来への不安がなくなっていくかどうかだと思います。

 ─ 日本人の平均寿命が男女とも伸びている一方、健康寿命と10年の差がある。これは社会保障との関係で言っても重要な課題ですね。

 廣田 その意味で運動は非常に重要です。運動で健康になり、できるだけ病院にかからず過ごしていただく。それがご本人にも社会にとってもいいことです。その一助となる活動をしたい。

「アシックス」の社名は「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神あれかし、と祈るべきだ」というラテン語〝Anima Sana In corpore Sano〟の頭文字をとったものです。

 我々の社名そのものに、誰もが一生涯、運動、スポーツを通じて心身ともに健康でい続けられる世界をつくりたいという思いが込められているんです。このことは社内で確認し合っています。

 ─ 1977年のオニツカ、ジィティオ、ジェレンクの3社合併の時に、その精神を謳ったわけですね。

 廣田 我々が大事にしている精神です。24年はアシックス創業75周年です。お陰様で業績が回復し堅調に歩んでいますが、来年からは新しい中期経営計画が始まります。また次の時代に向けて、もっと世界中の人が健康でいられるような世の中をつくっていきたいと思います。

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