万博をビッグチャンスだと捉えていってほしい
─ まずは関西経済の現状をどう認識していますか。
生駒 やはり、コロナやロシアによるウクライナ侵攻など、失われた30年と言われる中にもコロナ禍で〝失われた3年〟があるわけですね。そうした中でも、関西は有難いことに「うめきた2期」の再開発や万博、そして、ワールドマスターズゲームズやIRなど、実現させなければならないことが相次いでいます。わたしはこれを〝ドリーム〟と呼んでいるんですが、関西経済界は目標ができるとお祭りと一緒で必ず頑張っていくので、目の前に目標があることは非常に良いことだと思います。
問題はこれらドリームが終わった後で、どのような形で良いレガシー(遺産)として残していくかが大事だと思います。
─ まさに宴の後という課題ですね。
生駒 そういうことです。また、関西には強いモノづくり企業が多く、家電から医療、ヘルスケア、金融と全ジャンルの企業が揃っています。大企業だけでなく、日本のモノづくりを支えてきた下請け企業が多いことも関西の特徴なので、これら中小・零細企業がそれぞれイノベーションやDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)に取り組むことによって、万博を機に一気に世界とつながることができます。
日本が大変な転換期であることは事実ですが、万博をビッグチャンスだと捉えていってほしいし、われわれもできることはサポートしながら一緒に歩いていきたいと考えています。