2022-10-25

【母の教え】サイオス社長・喜多伸夫氏「専業主婦で手芸店などを興した母。起業したわたしにも母の血が流れていると感じて」

喜多伸夫・サイオス社長

 そんな母の逞しさや行動力はその後も留まることを知りませんでした。商売に続いて今度はスポーツにも励みだしたのです。40代になると、体力づくりの一環として地元の体育館に通っていたそうですが、そこでバドミントンに出会ったのです。それからというもの、母はバドミントン三昧の生活を送ります。

 そして練習もさることながら、大会にも出場していました。しかも70代になってもシニア大会に出場し、今から10年ほど前の全日本シニアバドミントン選手権大会では全国3位の成績を収めたのです。さらには79歳での最高齢選手賞も受賞。これには大変驚きました。

 その後、母に言われて母が出場する試合を見に行くと、とにかく母は有名人。「喜多京子さんですよね?」と言われて一緒に写真撮影をしていました。地元・堺市の市長から賞状も贈られており、マスコミに取り上げられることもしばしば。あちこち興味を覚える一方、これだと思ったことには一途に取り組むのが母の性分なのでしょう。

 母は現在92歳。父は他界していますが、相変わらずのせっかちな性分は変わらず、実家に帰るときに、そのスケジュールを伝えると「はよ帰りね」とつつかれる。そんな母の血がわたしの中で脈々と流れているのだなと感じている今日この頃です。


きた・のぶお

1959年大阪府生まれ。京都工芸繊維大学工学部卒業。82年稲畑産業入社。90年代の米国赴任中にLINUXと出会い、帰国後の99年にノーザンライツコンピュータ社長に就任。2002年テンアートニとの合併に伴い、新生・テンアートニ社長(現サイオス)に就任。17年持ち株会社移行により現職。Web DINO Japan理事などを務める。

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