2022-06-28

【イメージワン・島岡潤社長】CTやMRIの画像のシステムの構築・運用から「出向く医療」の提案



医療機関の未収医療費を保証するサービスで起業

 ―― そもそも島岡さんは生え抜き社員ではありませんね。

 島岡 ええ。当社への入社は去年の11月1日で、12月20日の株主総会で代表になりました。私は以前から起業して病院の仕事には携わってきました。私が最初に立ち上げた会社が2004年創業の金融サービスのファーラウト。患者様に支払っていただけない医療機関の未収医療費の保証制度を作りました。

 ―― 病院にとって頭の痛い課題に乗り出したわけですね。

 島岡 はい。病院の抱える課題として最も頭を悩ませるものが未収医療費です。病院では患者様がお金を払ってくれるかどうかをチェックしてから入院させるわけではありません。まず患者様を受け入れて治療します。

 しかし、その患者様からきちんと医療費を払ってもらえるかどうかは別の問題になります。特に急性期の病院では退院されたまま未払いになるケースが多かったのです。しかも、病院の事務員にとっては医療費の未回収が増えれば、それを回収するという作業負担が増えます。ファーラウトでは、そういった未収分の医療費を保証するサービスを提供していました。

 ―― ファーラウトを創業したときは何歳でしたか。

 島岡 23歳です。それまでは和歌山県の新宮市にあるマグロを扱う食品会社で働いていました。その後、ファーラウトを創業し、経営状況が良くなかったイメージワンに出資。経営再建を進めるという形で社長に就任したという経緯になります。

 ―― イメージワンを再建できると思った根拠は何ですか。

 島岡 医療に特化した強みがあるからです。その強みを基盤にして事業領域を大きくすることができると考えています。実際に今も事業領域を大きくしている最中で、医療情報システム以外では、病院で使う検査・検診用ニトリルグローブやPCR検査機器、臨床検査用試薬といった消耗品の販売を手掛けるメディカルサプライ事業を拡大しているところです。

 このうち、コロナ禍ではニトリルグローブの「レイワグローブ」がとても好調でした。当社が商品開発をしたのですが、コロナ禍で医療用グローブの需要が高まった際、流通価格が急騰したのですが、当社の製品はコロナ前の値段に戻しました。

 いち早く海外の工場と提携し、早く値段を戻すことができたのです。ですから、価格的優位性が大きかった。また、製品のクオリティーも評価されましたね。そのため、ライバル企業よりも安い価格で提供できました。

 ―― 何が求められているのかを的確に判断していったのですね。医療関連システムを活かしたビジネスもあるのですか。

 島岡 はい。新たに取り組んでいるのが医療×MaaS事業です。新たな時代のヘルスケアモビリティを活用したサービスを構築し、平時のへき地医療や発熱外来、健康診断などのサービスをはじめ、有事の災害医療の提供などの幅広い医療サービスの提供が可能になります。

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