2021-11-02

【グローバルニッチトップ】ニコンの源流『東京計器』が創業125周年

安藤毅・東京計器社長



 東京計器の創業は明治29年(1896年)。日本初の計器工場として、船舶に不可欠な圧力計の開発に着手したのが始まり。英国製軍艦に搭載された機材を国産化できないかという国の要請を受けて、圧力計の国産化に取り組んだのが原点だ。

 大正6年(1917年)には光学計器部門を分離。それが現在のニコンで、同社は機械的計器や電気的計器の事業に特化。そこから船舶用ジャイロコンパスなどの海に関わる製品から、水量や水位を測る計器など陸に関わる製品、航空自衛隊の戦闘機に搭載するレーダー警戒装置など空に関わる製品まで、事業を拡大してきた。

 同社は中期経営計画『東京計器ビジョン2030』を策定。2030年に売上高1千億円以上、営業利益100億円以上、営業利益率10%以上を目指す。

 特に注力分野として狙いを定めるのが、水素・エネルギー分野とAI(人工知能)。
すでに油圧機器の技術を活用して、油圧式水素圧縮装置システムを開発。また、長年培ったマイクロ波技術を活かして、半導体製造装置や人工衛星などの心臓部を担うマイクロ波増幅器などの量産を急いでいる。

「『計測・認識・制御』といった人問の感覚の働きを最先端の技術でカタチにするというのが当社の使命。もともと当社には、ニッチな市場でトップシェアを占める製品が多い。こうしたコアの技術を組み合わせて、これからの成長を牽引するイノベーティブな事業を生み出していきたい」(安藤氏)

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