2021-05-02

【厚生労働省】コロナ禍での深夜会食 省内でも意識の違いが鮮明

老健局老人保健課の23人が深夜まで送別会を開き会食していた問題は、年度末の厚労省内を大きく揺るがした。ある幹部はこれだけ全国民が我慢している中で信じられない。各所から説明を求められ、てんやわんやだ」と憤りを隠さない。別の幹部は「本当は送別会をしたかったが、記念品の贈呈にとどめた。新型コロナウイルス対策に現在進行形で奮闘している部署があるのに、省内でこんなに意識の差があったなんて……」と、あぜんとした様子だ。

 批判の高まりを受け、同省は報道からわずか1日で、会合を主催した課長を事実上更迭する「スピード処分」を下した。同時に、他の部署における大人数、または深夜の宴会の有無を調査。
結果、建設・港湾対策室と保育課で5人以上の会食が開催されていたことが判明。政府は会食での感染を防止するため4人以下での短時間での会食を呼び掛けており、事態を重く見た田村憲久厚労相は、自身の給与2カ月分の自主返納を決めた。

 報道翌日の会見では、「23人というのは常識では考えられない人数」ときっぱり。「国民の皆さま方があきれられて、『厚労省が(深夜に大人数での会食を)やっているんだから、やってもいい』なんて思っていただかないように、しっかりと綱紀を粛正したい」と深々と頭を下げた。

 ただ、3年に1度の介護報酬改定を主導する同課を経験した中堅は「3年間ほぼメンバーが変わらず苦楽を共にするから、団結が他にも増して強い」と指摘。その上で、「来年度の改定作業が終わり、課員の異動まで時間がない中で、課長はどうしても全員をねぎらいたかったのでは」とおもんぱかる。

 課長を知る別の中堅は「部下をとても大事にしていた。仕事も的確にこなす次世代のホープ」と評した上で、「大声で擁護はできないが、緊急事態宣言も明けていたし、時間や人数を守れば問題なかったはず。彼の今までの努力を考えると、とても残念な気持ちだ」と言葉少なだった。

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