2023-11-21

【株価はどう動く?】「眠れる個人金融資産」は動き出したか、岸田政策の経済政策をどう評価?

米国の利上げの行方が株価を左右する…

米国の利上げは「打ち止め」か?

 日米の株価は波乱含みで、下落調整局面が続いてきました。特に米国金利の上昇、インフレの再燃、景気後退懸念で米国株は下げ、それに連動して日本の株価も下落、10月4日に3万487円という安値を付けました。これが一番底です。

 波動からいうと、今年の日経平均株価は6月19日のバブル以降の新高値、3万3772円が一番天井、9月15日の3万3634円で二番天井を付けた後、下落調整局面が続いていました。

 ではなぜ、日米の株価は下落したのか。

 米国サイドでは今後の金利、インフレの先高感、金融引き締めによる景気後退懸念、さらにはウクライナ戦争に続いて、イスラエルとハマスの紛争による原油価格の上昇が弱気材料となっていました。

 これらの弱気材料は、ニューヨークダウの3万2000~3万3000ドル、日経平均の3万円台までの下げで織り込んだのではないかという動きです。

 特に日経平均は10月4日の3万487円に対して10月30日の安値、3万538円で短期サイクルの二番底が入った可能性があります。株価は二番底が入ったら上昇するという習性があります。

 二番底を入れた時点で「寄引同時線」が出ています。これは「酒田五法」でいう攻防の分岐点の足なのですが、その後、陽線が連続して出て、上に窓を2つ開けて、小幅ながら上昇をしています。この動きから見ると、いよいよ二番底が入って、11月相場以降、反転、上昇する可能性が高まっています。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は10月31日、11月1日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利を据え置きました。年内に予想されている利上げを見送る可能性も出てきています。仮に利上げをしても、それが最後の利上げとなるかもしれません。

 そして中東不安が今後、拡大するかどうかですが、人質の解放を優先して、イスラエルは攻撃の姿勢は緩めないものの、決定的な戦いには入れないということで、これ以上情勢が悪化しないような方向に動いています。

 ハマスの後ろ盾になっているイランやロシアも、戦争が拡大することを望んではいないようです。ロシアはウクライナで手一杯ですし、イランもイスラエルや米国と直接対峙して、核施設を攻撃されるといったダメージは負いたくないでしょう。

 イスラエルの体面を保ちつつ「引き分け」に持ち込みたいというのが主要国の方針ではないかと思われます。先行き不透明ではあるものの、関係者が最悪のケースを避けるべく動いており、株価にかなり織り込まれたのではないかと見ています。

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