2023-07-17

【オンライン医療相談】YOKUMIRU・原翔平氏に直撃!「海外に住む日本人の悩みの解決を」

原翔平・YOKUMIRU代表取締役



企業の「安全配慮義務」が問われる中で

 ―― 法人契約もありますが、どういったニーズがありますか。

 原 法人に関しても、個人の方とご利用のされ方や課題感は変わらないと思います。そうした中で、我々が法人に対してどのようなアプローチでお話をしているかというと、まず従業員が健康でなければ、生産性が上がらないということが1つあります。

 もう1つ、法人から海外に赴任される方は海外旅行保険や現地ローカルの保険に加入することが多いのですが、「持病」や「メンタル面のケア」など、保険だけで対応できないケースもあります。その補完として我々のサービスを使っていただくということもあります。

 さらに、「法令遵守」という面におけるニーズも高いんです。具体的に申し上げると労働契約法の中で「安全配慮義務」が定められています。その中で企業は、労働者が安全・健康に労働できるよう配慮する義務があるとされているんです。つまり、従業員の体、心に問題が起きないように、会社としてしっかりケアする必要があるということです。

 そうした中で、海外に赴任されている方の割合が少ない企業では、その方々に対するケアにコストが掛け切れておらず、保険だけ掛けて終わりになってしまっていることが多いのです。

 もちろん、保険を掛けるのはいいことですが、先程の安全配慮義務が「問題が起きないように」ケアすることを求めているのに対し、保険は「問題が起きた時」にしか使うことができません。

 こうなると法令遵守の取り組みとしては、非常に弱いものになってしまう。ですから、その取り組みとしてYOKUMIRUをご利用いただいて従業員の方々の体、心のケアに役立てていただいているのです。

 保険とYOKUMIRU を組み合わせることで、安全配慮義務への取り組みとして謳うことができ、リスク軽減につながります。近年の流れで言えば「健康経営」、「人的資本経営」という文脈でもご活用いただいています。

 ―― コロナ禍によってオンラインでのコミュニケーションが急激に普及しましたが、これは事業を進める上で大きかったと言えますね。

 原 そう感じます。我々のサービスは診療ではありませんが、この間、日本として「オンライン診療」に関して法律面での整備などが進んだことも大きかったですね。

 また、どの国でもインターネット環境が整備され、パソコンやスマートフォンが普及して、手軽にアクセスできるようになりました。これによって老若男女問わず、オンラインのビデオ通話に慣れ親しむ方が増えました。こうした環境は、我々のサービスを利用する上でのハードルを下げてくれていると思います。

 ただ、まだ医療に関しては、リアルで行うものという意識が強かったり、医師に相談するのを躊躇してしまうといった心理的ハードルもあるようです。その意味で、我々のサービスを使って何ができるのかといった事例を多くお見せしていくことが、ますます重要だと考えています。

 ―― 将来において、どのような存在になっていたいと考えていますか。

 原 現状、在留邦人が約140 万人、海外渡航者が2019年のデータでは年間約2000万人でしたが、コロナが明けて徐々にこの数字に戻っていくと見ています。こうした方々の中で「海外に行くならYOKUMIRUだよね」という形になるように、ブランドを浸透させていきたいと思っています。

 さらに、現在のサービスで海外にいる日本人の方々がどんなことに困っているかというデータが蓄積できています。医療や健康以外の困り事の解決も手掛けられればと考えています。それによって「日本発の『安心』で世界を満たす。」というビジョンを実現していきたいと思っています。

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