2023-05-25

「日米欧の国際連携で最先端の半導体を」ラピダス・小池淳義の決意

小池淳義・Rapidus社長



企業の志が試されている



 もっとも、国主導の戦略を巡っては、過去に失敗した事例もある。半導体メモリーの旧エルピーダメモリは、国の公的支援も受けたが、2012年に会社更生法の適用を申請して経営破綻。半導体ではないが、液晶パネル大手のジャパンディスプレイは会社設立時に2千億円の出資を受けながら、9期連続の最終赤字に低迷している。

 ラピダスもエルピーダの二の舞にならなければいいのだが、こうした懸念を小池氏はどう払しょくしていくのか。

 小池氏は「これまで国が関与するいろいろなプロジェクトがあって全部失敗したわけではない。大事なことは企業の最終的なゴールと国のゴールが一致すること。企業は利益だけを求める資本主義ではなく、〝志本主義〟で本当の志が試されているのではないか。最終ユーザーが本当に望んでいるものに特化した半導体をつくり、新たなバリューを生み出していく」と語る。

 社名のラピダスは「速い」を意味するラテン語にちなんだもの。いかに海外の技術を習得しながら、国や出資企業8社などの利害関係者を調整し、素早い経営判断をしていくのか。日本の半導体復活へ向け、小池氏の手腕が問われている。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事