─ 面白いですね。互いの性格が違っても、結果的に会社として、いいバランスをとっていたということですよね。
鈴木 今にして思えば、わたしも40歳ぐらいでしたから、若気の至りだったのかもしれません。でも、日本でコンビニは絶対に成功すると思いましたし、やってうまくいかなければ責任を取ればいいと考えて、何度も言い続けたように思います。
─ 責任を取るというのは会社を辞める覚悟があったということですか。
鈴木 それくらいの覚悟は持たないと、責任なんて軽く言えないですよね。要するに、わたしはいいと思ったものには挑戦しようと。それでうまくいかなかったら自分の責任。それは今も昔も変わりません。
─ 伊藤さんも結局は、一度決めたら前へ進むという鈴木さんの気迫を伊藤さんも汲み取ったわけですよね。
鈴木 ええ。だから、言われたことはないけれども、内心では危なっかしい男だなと思っていたと思いますよ(笑)。
─ 伊藤さんとは8歳違いですよね。この年齢的な差がちょうど良かったんですか。
鈴木 それもあるかもしれません。あとは、わたしがトーハン(書籍取次の大手)という全然違う世界から流通の世界に飛び込んできたわけですよ。全くの素人の意見だったから、話を聞いてくれたのかもしれない。
─ もともと流通の世界にいた人ではそういう発想にならないし、伊藤さんも反発していたかもしれませんね。
鈴木 それも含めて若気の至りですよ。伊藤さんはわたしを信用して、自由にやらせてくれました。この場を借りて、改めて、伊藤さんに感謝を申し上げたいと思います。