2022-04-11

【コロナ禍でも営業黒字!】「大阪王将」を運営するイートアンドHDの〝街中華ビジネス

1969年、大阪市・京橋に1号店が開業し、全国361店舗に広がった「大阪王将」



地域の特性に合わせた店舗展開

「大阪王将」はコロナ危機当初、一時は都心の繁華街の店舗を中心に危機的な状況に陥った。しかし、その苦境は他社よりは小さく済んだ。なぜなら「コロナ禍以前より、店舗には持ち帰りのカウンターを設けるなど力を入れていたため、ダメージは比較的少なかった」(同)からだ。

 しかも、「地域の実情に合わせ、『個店』のようにマネジメントしている」と仲田氏は語る。全店が同じメニューで同じ価格を貫くチェーン店の常識とは一線を画す「マイクロマネジメント」を導入。同社では各店舗で同じメニューでも価格が異なり、その店独自のメニューがあったりする。


仲田浩康・イートアンドホールディングス社長COO兼イートアンドフーズ社長

 さらに同社からの指定食材以外は食材の調達も店舗に任せている。東京・両国国技館近くの店では餃子、王将特製油淋鶏、自家製鶏チャーシュー、炒飯の上に目玉焼きをのせた「両国横綱定食」があり、キッズプレートを提供する店舗もある。

 これらの施策で地域住民の支持を得たこともあり、外食事業も営業黒字をキープ(2022年2月期第3四半期業績)。ただ、コロナ禍で人々の生活様式が変わったこともあり、今後の出店戦略では都心の繁華街ではなく、「乗降客数が数万人規模
の帰着駅近くの生活立地に出店していく」(同)という。

 他社にはない冷凍食品事業と地域に密着した外食事業の二本柱の経営─。それを支える工場への投資は大きく、生産設備の増強、増産体制の構築について常に取り組んでいる。

 誰からも愛される〝街中華〟で、どれだけ大衆の胃袋を掴むことができるか。同社のものづくりの精度が試されることになる。

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