2022-02-25

【コロナ禍の保健所で活躍】音声で「生産性向上」目指すRevcomm

會田武史・レブコム代表取締役


音声入力にかかる時間は
文字入力の3分の1

「会社を設立した17年7月はまだ三菱商事にいました。三菱商事始まって以来、初の副業を認めてもらいました」─。

 レブコム創業者の會田武史氏 は1989年生まれ。三菱商事では自動車のトレーディングなどに従事していた。

「ウクライナやサウジアラビアなど文化の異なる市場に乗り込んで『ビジネスしろ』という抽象的なお題を形にしていくプロセスは新規事業をする上ですごく役立った」と語る。

 〝音声〟という未知の領域で起業した理由は次のように語る。

「次のユーザーインターフェースは音声だと思っています。ウクライナやサウジアラビアで仕事をしていたとき、みんな『WhatsApp』という『LINE』のようなアプリを使って、文字ではなく声でやりとりしていた。音声入力の入力時間は文字入力の3分の1。50代以上やティーンエイジャーはより簡単な音声入力に流れている」点に注目。

 また「世界の潮流を見ても、16~17年はボイステックへのリスクマネーの投下がすごく伸びていたので、『これはくるだろう』と感じた」。

 そして「日本の生産性の向上。2000年に8600万人だった生産年齢人口が20年には7500万人になり、60年には4400万人になる。日本のGDPを維持、拡大するには生産性の向上しかない。極めて効率的で生産性が高い音声インターフェースで日本の生産性向上に貢献したい」と語る。

 事業領域を決めると、現場の課題をヒアリングし、仲間を集め、音声、AI、クラウドサービスの『ミーテル』を構築していった。

 今後は「自動アポ取りAI」などミーテルの改良・改善を進める他、「音声解析エンジンを営業だけでなく、人事や教育などにも活用」、「アマゾンのリコメン機能の経営版のような経営判断AIの開発」を目指す。

 海外展開も視野に入れる。

「解析エンジンやアプリを提供する企業はあるが、IP電話まで持ち、サービスをワンストップで提供できる会社は海外にもない。競争優位性を活かし、インドネシアにも進出していますし、アメリカ進出も考えている」

 学生時代、Enactus(イナクタス)という国際NPOなどで活躍した會田氏。尊敬する経営者はビル・ゲイツやロック・フェラー。

「資本主義で得た社会的資本や経済的資本を資本主義の外に還元したいという思い」がある。「自分や狭い世界のためでは共感を得られない。『世のため人のため』にやるから、いろんな人が協力し、理想が実現可能になる」と語る。

 音声は、最も原始的で手軽なコミュニケーション手段。今までデータ化されてこなかった音声をデータ化し、プラットフォーム展開することで、新たな価値創出に挑む。

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