真のデフレ脱却を果たすには?
─ なるほど。列島改造論と同じような動きですか。
望月 はい。そういう意味では、失われた30年を取り返すためにも賃上げが大事になる。
日本は人口減少で、どうしても人は足りなくなってくるわけだから、賃金を上げなければいけない。大企業だろうと、中小企業だろうと賃金を上げなければならない。これはいい循環ですよね。
ただ、賃金を上げるということは、労働コストが高くなるということだから、今度は更に省力化のためのITやロボット投資をしなければならない。
何もしなければ労働人口は減るわけで、経済は相対的に落ちていくわけです。しかし、人や設備に投資をすることで、人口減少下でも成長できるというモデルをつくることが出来れば、次の時代、日本は勝ち組になる可能性がありますよ。
─ そうしたロールモデルを早くつくるべきだと。
望月 日本にはヒト・モノ・カネの要素が全部揃っているわけですから、世界の勝ち組になる要素はあります。それを逃さないためにも、国の政策や企業経営をしっかりとしたものにしていってほしいと思います。
わたしは、そういう好循環を生み出していくことができれば、日本は真のデフレ脱却を果たすことができると思います。