2024-02-09

ナック クリクラビジネスカンパニー・小磯雄一郎代表が語る「『宅配水』業界の発展に今、必要なこと」

小磯雄一郎・ナック クリクラビジネスカンパニー代表(ナック専務執行役員)

我々、クリクラビジネスカンパニーでは、ウォーターサーバー事業を展開しています。この宅配水業界では、「自社のインフラを活用したい」という思いから多くの企業が参入されています。その代表例が地域のガス会社さんです。他に、お客様への「お役立ちサービス」を展開している会社が、その接点を活かして参入するケースもあり、お客様に対するサービスには各社、かなり力が入っています。

 ただ、私が業界全体の課題だと感じているのは、水の「安心安全」です。クリクラでは安全性をキープするために年に1回、フル洗浄・メンテナンスしたサーバーと必ず交換しています。しっかりしている会社さんもありますが、中には、ややラフな会社さんがおられることも、確かです。どういうことかというと、水の「殺菌」については、各社やっていると思いますが、どの菌を、どのくらい、どの程度まで殺菌するのかまで細かく見て管理しているかというと、まだまだです。これを徹底しておられるのが飲料メーカーさんです。

 我々、宅配水業界は飲料メーカーさんを参考にスタートしたわけですが、業界全体として切磋琢磨して今後、飲料水としての品質を高める努力をさらに進める必要があると考えています。

 足元で、日本での宅配水の普及率は10%程度ですが、私個人としては20%、30%まで高まっていいビジネスだと考えています。ただ、まだ日本では「水と安全はタダ」という考えが根強いのも、また現実です。

 その日本において、お金を払ってでも安心安全な水を飲みたいという方は、少しずつではありますが増えてきています。これまで、ほぼ水に困ったことのない日本ですが、資源としての水の重要性に、今後さらに意識を向けていく必要があるのではないかと思います。

 そしていつ、どのくらいの量の水を飲むことが適切なのかといったことについては、皆さんにはっきりとしたことをお伝えできていません。専門家のお知恵も借りながら、今後、お客様の快適で健康な暮らしの実現に向けて「水の飲み方」についての啓発活動を進めていくことも、我々の使命ではないかと考えています。それが結果として、ビジネス拡大につながるのではないかと思うのです。

 当社クリクラ事業においての目下の課題は「DX」です。当社のフランチャイズには約450の加盟店さんがいて日本全国のお客様に専任の配送員が個配するサービスを提供していますが、各社の情報をオンタイムで集約できる環境整備を進めているところです。

 さらに言えば、DXによってお客様が我々のウォーターサーバーから、1日にどのくらいの水を飲んだか、あるいは飲まなかったのか、という情報がわかることで、お客様の健康状態など、多くのことがわかります。こうなると、クリクラの水を飲むお客様に対して、その方に合った情報やサービスの提供が可能になるのです。これは我々が将来、目指す姿です。

 また、ナック全体で言えば、クリクラビジネス以外に、「ダスキン事業」などを手掛ける祖業のレンタルビジネス、建築コンサルティング、住宅、美容健康ビジネスといった事業がありますが、これらのビジネスに横串を刺し、お互いにシナジーを出していくことも重要な課題です。

 そして、グループ全体の成長に貢献するために、クリクラビジネスをさらに成長させていくことが、私の使命だと考えています。

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