2023-10-24

「投薬、手術に次いでアプリで治療を」 キュア・アップ社長・佐竹晃太氏の〝治療アプリ〟戦略

佐竹晃太・CureApp社長



7つの治療アプリを開発中

 同社はいま非アルコール性脂肪肝や慢性心不全、慢性腰痛症、減酒など、7つの治療アプリを開発中。乳がん関連症状治療アプリは第一三共と共同開発している。第一三共にとっては、強みである医薬品開発力を治療アプリとかけ合わせることで、新たな事業の柱を育てることができる。

 そんな佐竹氏は慶應義塾大学卒業後、日本赤十字社医療センターなどで呼吸器内科医として勤務。中国・上海の中欧国際工商学院でMBAを取得後、米ジョンズ・ホプキンス大学留学中に、ある論文と出会う。糖尿病に特化した処方用の治療用アプリに関する論文だった。読み終えた佐竹氏は「糖尿病だけでなく、生活習慣を改善するための行動変容にもつながる。可能性の広さを強く感じた」という。

 社会的にデジタル技術が浸透したといっても、日本の医療現場は薬や手術といった外科的な治療が主流だ。現役の医師としても働く佐竹氏が打ち出す治療アプリを処方して病気を治すという「スマート療法」が新たな潮流として根付くかどうか。佐竹氏の構想力が試される。

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