2023-09-08

【国土交通省】「トラックGメン」を新設 2024年問題で監視強化

国土交通省は、トラック運転手の不足が懸念される物流業界の「2024年問題」に対応するため、荷主企業と運送事業者の間で適正な取引が行われているか監視する「トラックGメン」を新設した。荷主や元請け事業者への働き掛けを強化し、長時間の荷待ちや不当な運賃設定の改善を促す。

 これまで10人に満たない本省の担当者らが、違反行為の疑いがある荷主に対し、改善の要請や勧告を行う役割を担っていたが、斉藤鉄夫国交相は「荷主への監視体制を抜本的に強化する」と強調。80人の緊急増員を含めた162人体制でトラックGメンがスタートし、国交省本省や地方運輸局に配置された。

 自動車局の幹部は「年度初めではないタイミングで、この規模の体制強化は今まで聞いたことがない。すごいことだ」と強調。

 同時に、「これだけ増やしてもらったのだから、成果は何としても出さなければならない」と気を引き締めていた。

 トラックGメンは、運転手が集荷先や配送先で待機する時間が長くなっていないか、運賃が不当に安く設定されていないかなど、運送事業者へのヒアリングに取り組む。これまではウェブ上の目安箱で情報収集していたが、体制強化に伴い、事業者への直接訪問や電話聞き取りを積極的に実施。荷主や元請け事業者による違反行為が確認される場合は、是正に向けた要請や勧告を行う。

 労働基準法の改正で、24年4月からトラック運転手の時間外労働が年間960時間までに制限され、人手不足による物流の停滞が懸念されている。近年は全国的に荷物の取扱量が増え、ただでさえ運転手が不足。斉藤国交相は「トラックドライバーの労働条件の改善と取引環境の適正化に向け、一層強力に取り組んでいく」と述べている。

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