2023-08-07

KDDIと三井物産がコンタクトセンター事業を統合

写真はイメージ

「KDDIはICT領域の実績とデータ領域の知見があり、三井物産には国内外グループ会社のネットワークがある。両社の強みのシナジーを創出し、新会社がデジタルBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のリーディングカンパニーになる」――。こう語るのはKDDI専務の桑原康明氏。

 KDDIの100%子会社KDDIエボルバと、三井物産系の上場会社りらいあコミュニケーションズが経営統合する。両社はコンタクトセンター(コールセンター)事業を手掛ける会社で、9月に新会社を設立。単純合計で売上高2400億円、拠点数100超、従業員5万8千人の国内最大級のコンタクトセンター企業が誕生する。

「DXのポイントはデータの活用。ただ、コンタクトセンターは重要なお客様との接点でありながら、お客様の生の声が十分にデータ化されていない」(桑原氏)という課題があった。

 新会社の設立は、労働人口の減少に伴う人手不足でBPOの需要が増加していることが背景にある。コンタクトセンター業務も、時代の流れと共に人からAIへの代替や電話からWEBへのシフトが進んでおり、デジタル化の加速によってサービスの多様化や事業領域の拡大が求められているからだ。

 三井物産執行役ICT事業本部長の小日山功氏は「データを駆使したビジネスの構築とICT機能と知見を生かした総合商社ならではの付加価値の創出を図ることで、お客様の真の課題解決に貢献したい」と語る。

 両社は昨年6月、協業の第1弾として、AI(人工知能)を活用した人流分析で都市のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた取り組みを開始。今回の取り組みは協業の第2弾という位置づけだ。

「コンサル力や提案力、デジタル力に磨きをかけ、ワンストップで業務ソリューションを提供する国内最大のデジタルBPO事業者を目指す」(小日山氏)

 人手不足を背景に、異なる業種が連携。企業の課題が増す中、新たな連携劇が出てきそうだ。

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