2023-07-20

【株価はどう動く?】日本株を「持たないリスク」が浮上、企業も個人も「インフレヘッジ」の動きに

日本の個人は本格的に相場に参入するか?



 そして東京証券取引所が企業に改善を要求した「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」の議論が大きかったと思います。日本の大企業の半数が1倍割れという現状ですから、大企業を中心に自社株買いと増配が始まっています。さらに賃上げを進めていることが株高の要因です。

 個人はインフレヘッジで株式市場に出てきています。企業は内部留保してきたものを自社株買い、増配、賃上げに資金を使い始めています。政府は財政出動して景気対策を始めています。個人・政府・企業三位一体の株高が日本で始まってきています。

 そうして前述のように日銀短観を見ても、企業業績は回復しています。そしてこの後は、企業が設備投資を拡大してくるものと見ています。

 設備投資は「景気の4番バッター」と言われますが24年に向かって拡大します。そして個人消費も賃上げで改善しますから日本の景気にプラスです。

 これらを織り込んだ株高が今、始まっていますが、3万から3万5000円というゾーンは前述したようにテンポが早まっていることで、第4四半期ではなく第3四半期にも3万5000円を付ける可能性があります。

 第3四半期に高値を付けるようであれば、逆に第4四半期には調整局面に入るでしょう。ここで休んで、24年から株高になるという展開もあり得ます。この展開を今後、どう見ていくかが相場の読みになります。

 3万5000円の壁を軽々と突破することになれば、その後押し目が入っても、バブルの最高値、3万8915円を早めに奪回する可能性が出てきます。

 ここでは大企業によるPBR1倍割れの改善と賃上げインフレ、脱デフレによって、日本株は思わぬ速度で高値を付ける可能性があります。

 中国経済は先行き不透明ですが、2008年のリーマンショックになるような事態はないと見ています。中国は統制経済ですから、政府が危機を抑え込むでしょう。もし、危機を抑えられなければ習近平政権の存続も怪しくなるからです。

 ですから中国リスクは存在するものの、日本の政治・経済、日本の株式市場を揺るがすものではないと見ています。ただ、仮に中国経済が悪化すれば、国民の目を外に向けるために台湾侵攻に踏み切るかもしれません。

 米国は以前から指摘しているように、インフレと金利上昇は簡単には終わらず、高止まりすると見ています。

 円ドル相場は140円から145円というゾーンに入ってきていますから、このまま財務省が介入しなければ145円から150円のゾーンに入っていくと予想しています。

 岸田政権は、政権にとって「得点」となる出来事があれば解散するでしょうが、「可もなく不可もなく」で、淡々と政権が続くでしょう。政治に人気がないのは気がかりです。

 さて、個人投資家は資産形成のチャンスです。投資対象に迷ったらPBR1倍割れで、業績のいい大企業の株を買うのは1つです。例えば総合商社の双日(2768 東証PRM)はPBR1倍割れですが2期連続最高益です。今後の株価上昇が期待されます。

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