2023-01-13

日本企業の99%を占める中小企業の底上げをどう図るか? 答える人 小林 健・日本商工会議所会頭

小林 健 日本商工会議所会頭



 ─ 今はエネルギー・資源価格が高騰し、あらゆる物価が上昇しています。この上昇分をいかに価格に転嫁するかが、日本企業の課題になっています。

 小林 かつての高度経済成長の時代は、大企業はコストカットのために、下請け、孫請け企業に相当負担を強いてきました。コストカットが成長の源泉だったのです。生産性向上のためにはコストカットが近道だと考えた企業経営者が多かったのかもしれません。

 わたしが商工会議所で様々な活動に参加するようになり、中小企業の実態を見るにつけ思うのは、大企業のコストカットについてくることができない中小企業はどんどん振り落とされてきたという厳しい現実でした。

 10年くらい前の円高不況局面でも大企業によるコストカット要請があり、中小企業は相当な努力をして、この要求に応え、日本全体で円高をしのいでいきました。そして、今は逆に円安局面になって、再びコスト負担を押し付けられるのかと、中小企業は非常に辛い思いをしています。

 日本全体が活性化するためには、99.7%を占める中小企業が活性化しないといけない。その方法はいろいろあると思いますが、先ずは、DXと大企業と中小企業の取引適正化、具体的には価格転嫁を実現することだと思います。

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