2023-12-26

【国土交通省】スカイマークの進路は? 鈴与が筆頭株主に

22年末に再上場を果たした航空会社スカイマークを巡り、静岡県を地盤とする鈴与グループが新たに筆頭株主となった。経営再建を支援してきた投資ファンドのインテグラルがイグジットを図る動きの一環だが、地域航空会社を傘下に持つ鈴与への株式譲渡は業界関係者の間でもサプライズで、スカイマークの今後の進路に注目が集まっている。

「正直びっくりした。予想していなかった」。スカイマークの洞駿社長は11月13日の決算記者会見で、鈴与への株式譲渡が自身にも「寝耳に水」だったことを明かした。

 筆頭株主だったインテグラルは同7日、スカイマーク株式の一部を鈴与ホールディングス(HD、静岡市)に売却すると発表。その後の譲渡完了で鈴与HDの議決権比率は13%となり第1位に。インテグラルの比率は7.3%に低下した。

 鈴与HDを含む鈴与グループ傘下の地域航空会社「フジドリームエアラインズ(FDA)」は、地方間運航による地域振興を目指している。スカイマークは、一部地方空港で地上業務をFDAに委託しており、インテグラルは「メリットのある事業連携の検討」が期待できると説明する。

 連携の具体案について、洞氏は「大いに検討して実現していかないといけない」と述べるにとどめたが、鈴与グループトップの鈴木与平氏は、地元紙の取材で、将来的な共同運航の検討にも「勉強していかないといけない」と意欲を見せた。

 特に注目されるのは、議決権比率12.9%を持つ第2株主のANAホールディングスとの関係。独立路線を貫くスカイマークはANAと共同運航は行わず、営業面での競争関係を維持。「ANAは日本航空と組まさないためだけに株を持っている」(業界関係者)と言われるいびつな関係だった。

 FDAはその日航と共同運航便を運航しているだけに、スカイマーク・FDAの連携がどのように発展するかが焦点。経営の舵取りを巡って、鈴与とANAの主導権争いが起こる可能性も指摘されている。

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