2021-10-06

【人生最期のお金】をどうするか── 相続人不在、相続対策に悩む人たちに伴走 「生きた証として…」READYFORの遺贈寄付サービス

デジタルに不慣れな高齢者でも利用しやすいよう、紙のパンフレットや電話での相談窓口を用意。高齢者にレディーフォーの存在を知ってもらうこともサービス拡大の重要なポイントだ

自分の人生をどう締め括るか──。スマートフォンで不動産の相続手続きを完結できるサービスや家族間で財産を信託できるクラウドサービスなど、高齢化社会の課題解決を図る「エイジテック」サービスが続々登場している。クラウドファンディングの先駆者であるREADYFORも今年4月、新たに遺贈寄付サービスを開始。人生最期の思いを託す遺贈寄付サービスとは──。
本誌・北川 文子 Text by Kitagawa Ayako



国庫に入る遺産は603億円

「遺贈寄付となると、その方の人生の集大成を受けることになるので、遺言も含めて、その方の終活と言いますか、諸々のご相談を受けて対応しています」

 こう語るのは、レディーフォー遺贈寄付コンサルタントの北山陽一氏。

 北山氏はみずほ信託銀行出身。信託銀行を通じた寄付の場合、遺言の受託がメインだが、遺贈寄付からスタートすると「人生の集大成のご相談を賜るというイメージです」とその違いを語る。

 インターネットを通じて、広く個人から資金を募るクラウドファンディングの大手・READYFORが新たに始めたのが「遺贈寄付」事業。

 一般的に「遺贈寄付」は遺言書を作成し、財産を特定の個人や団体に無償で贈与することだが、レディーフォーでは遺言による寄付だけでなく「相続財産」や「生命保険・信託による寄付」も含めて遺贈寄付と呼び、生前寄付の相談も受けている。

 遺贈寄付というと、財産をたくさん持っている人の話と思われがちだが、金額の制限はなく、生きている限り、相続と無関係の人もいない。

 だが、「気軽に相談できる場所がなかった」り、「手続きが難しかった」り、「遺言書が有効でなく思いが届かなかった」ということが起きている。

 また、寄付を受け入れる団体側も「リソースや知識の面で受け入れが困難」だったり、非営利団体だと「意義のある活動をしていても活動内容が知られていない」ということもある。

 レディーフォーは2011年の創業以来、2万件のプロジェクトで約200億円の支援金を集めてきた経験から「社会的な活動をされている団体さんのデータや情報をたくさん持っている」。

 そこで、クラウドファンディングで“個人”と“組織や団体”をつなげてきたノウハウを活かし、“遺贈寄付をしたい人”と“寄付を受ける団体”をマッチングすることで「最期に少しだけでも気持ちを実現できる方を増やしていきたい」という。

 実は、2020年度、相続人不在で国家に入った遺産は603億円にのぼる。生涯未婚率が増えていることに加え、「家族はいるが相続させたくない」という人も増えている。

 家族がいても同居はしていなかったり、仲が良いわけでもなく「遺産を残す関係ではない」という人も一定数いる。

 レディーフォーは遺贈寄付事業を今年4月からスタートしたが、こうした時代背景もあり、「相談の電話や問い合わせ、資料請求などの反響が月100件近くある」という。

 すでに成立した案件も出てきている。

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