2021-09-27

【コロナ禍での病院連携】全日本病院会会長が語る「機能分化について病院も加わった身近な地域単位での議論を」

猪口雄二:全日本病院協会会長(医療法人財団寿康会理事長)



東京・江東区での病院連携

 ─ その場合、全日病はコーディネーター役を果たすと。

 猪口 もちろん、つなぎ役を務めます。当会が主催する学会でもそういったテーマをメインテーマとして取り上げたりもしています。日本は地域によって特性が大きく変わります。東京は人口や病院数など規模が大きすぎるので、他の地域では通用しません。東京独自のやり方を考えていく必要があるでしょう。

 しかし、地方都市は別です。例えば、東京よりも少しサイズは小さいけれども、人がたくさん住んでいて、大学もいくつかある札幌市などで適用したモデルを他の同じくらいの規模感がある地方都市でも展開するといった考え方はできると思います。

 ─ 皆で限りある医療資源を分け合い、機能分化していく。これが骨子になりますね。

 猪口 自分がやりたいというだけではなくて、周りを見て、この地域はこの病院に任せるといった考え方ですね。例えば、当病院がある江東区の地域では東京都立墨東病院(墨田区)といった基幹病院ともお付き合いがありますし、昭和大学江東豊洲病院とも、どの地域の患者さんを受け持つかといった協議を行っています。

 こういった連携について協議する場は地域医療構想調整会議という形でもありますし、日本医師会が旗を振るものもあります。調整会議は江東区だけではなく、江戸川、墨田両区とも一緒です。これまで年に1~2回の開催でしたが、コロナ禍になってからは毎週のように病院部会が開かれています。

 新たな医療の形を再構築するためには、身近な地域単位で病院自身が加わって議論することが何よりも必要だと思います。

河北医療財団・河北博文理事長「『その人らしくいかに生きるか』という時代に『スマートホスピタル』を創りたい」

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事