2021-09-23

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第21回)

ベビー服・子供服はもちろん、最高品質の靴をつくりつづけている

子供の成長には「靴が必要」との思いで 



 ミキハウスはベビー服・子供服の他に、子供靴やおもちゃ、雑貨類も手掛けている。

 子供靴は子供の成長に欠かせない。子供の成長は速いので、たいてい1シーズンしか利用できない。加えて、まだ骨がやわらかく、つま先が扇状に広がっている赤ちゃんの足や、かかとが傾きやすく、つま先が上がりにくい赤ちゃんの歩行を考え、ミキハウスでは、成長に合わせて4種類のベビーシューズを展開している。

 そうした履き心地、使い勝手を、当の子供たちはもちろん、母親など保護者も高い靴代を支払うのだからと、我が子の成長を注意深く見守っている。

 子供靴も今や、年間100万足を売るほどの規模。しかし、同事業では長年苦労してきた。

「靴は30年間赤字だったんですよ」と木村は語る。

 それほど長い間赤字が続いているのになぜ、靴事業を止めたりしなかったのか?

「いやいや、足は大事ですもの。子供の足が大事なことは分かっているんだけど、これまではビジネスにならなかった。今でこそ年間100万足以上売れるようになっていますが、当初はほとんど損をしながら事業を続けていたんです」

 木村は、ベビー服・子供服と違って、靴では苦労させられたと述懐。

 どれくらいの販売規模になれば利益がとれるようになったのか? との問いに「大体10万足のレベルです」という答えが返ってきた。それ以下だと、生産工場に必要な設備投資などのお金が回らなくなるのだという。

 発注者としてのミキハウス(三起商行)は、「川上(生産)から川下(販売)までを全部見ないといけない」という立場。川上分野から川下分野まで一気通貫で、事業が成り立つように仕立てていかないといけない。

 ミキハウスは靴の製造を福岡、熊本など、九州に定め、生産事業者と事細かく連携しながら、最高品質の靴を求めていった。

 その結果、30年かかって靴事業の黒字化へこぎつけられたという経緯。そこには木村の執念があるからだが、その価格帯はどれくらいなのか?

 普通、都内の一流百貨店で売られているのは1足2千円くらいの水準。ところが、ミキハウスの場合、1足で7千~8千円以上するものがほとんど。

 それくらい高付加価値の靴づくりであるということ。

 ミキハウスの子供靴には、靴の生産事業者と長年、試行錯誤しながら、もっといえば苦楽を共にしながら、今の子供靴をつくりあげたという木村の思いが詰まっている。



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