他のエリアでも松本モデルは展開可能 ─ どれだけ組織的かつ臨機応変に対応できるかが試されますね。
相澤 そうです。7月上旬の頃の長野県では感染者が少なかったので、病床数を減らす傾向になります。感染症病床を用意しておいても仕方がないからです。
しかし、今後、患者さんが増えてきたら、その場合には何床にまで増やすという計画ができています。フェーズ2の準備に入り、さらに患者さんの数が増えたらフェーズ3の準備に入るという形で病床数を増やせる環境を整えているのです。最初からそういう計画ができあがっていますので、減らす際にもフェーズに応じて減らせるのです。
─ 松本モデルを他でも展開しようと思えばできますか。
相澤 もちろん、やろうと思えばできると思います。その場合に大切になってくるのは、どの地域範囲で住民を守るかという概念です。
長野県の場合、あらかじめ県によって4つの大きな地域に分かれていました。その地域で何とかしようというスタートラインがあったのです。地域を分ける場合、人口を1つの目安にしています。松本モデルの場合は大北地区と木曽地区を含めた人口約50万人をカバーしなければなりませんでしたので、その数を念頭に置いた医療体制を構築しました。
東京都も、例えば港区や千代田区、中央区といった形で区の単位で何とかしようと思えば、その区域で入院患者さんをどのように受け入れるかを考えることになるでしょう。ですから、どこの地域を守るかという視点に立って考えるかが大切なことになると思います。
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