2021-08-16

【キッコーマン】中野祥三郎新社長が語る「調味料は一度その地に定着すれば簡単にはなくならない」



簡便ニーズに応える商品

 ─ 簡便ニーズに対する商品も提供しているのですね。

 中野 一つは先ほど申し上げた「うちのごはん」シリーズです。これはメニュー専用調味料の一つで、おそうざいの素シリーズは、フライパンを使って5分ほどで簡単に1品ができます。さらに電子レンジでできる「うちのごはん 肉おかずの素」シリーズもあります。この商品はレンジ専用パウチに肉を入れて、それをもみ込んで電子レンジで温めれば10分ほどでジューシーな肉のおかずができるというものです。

 また、新商品開発と同様に力を入れていくのがレシピ提案です。当社は調味料メーカーですから、当社の商品がそのままお客様にとっての完成品にはなりません。調味料を使って料理していただくことで完成品になるのです。レシピ提案は実は、しょうゆを使っていなかった海外で進出当時から行ってきたものになります。

 ─ 60年以上前、キッコーマンは米国のスーパーの店頭で、しょうゆを使った試食販売のデモンストレーションを行い、米国の食文化との融合を図りました。

 中野 そうです。海外で、しょうゆは、なじみのある調味料ではありませんでしたから、当社がしょうゆを使ったレシピを開発し、紹介することで、使い方を普及してきました。そんなしょうゆの使い方自体が今の日本でも求められているのです。

 今の若い世代は親御さんと別々に生活しているケースが多く、料理の作り方を知る機会が減っているのです。ですから、しょうゆの使い方から丁寧にお伝えしていくことが求められています。若い世代の方が、しょうゆを使った新しい料理に興味を持っていますので、そういった方々への提案もしています。


密封型の容器を使った「いつでも新鮮」シリーズの商品群。「生しょうゆ」から「減塩しょうゆ」「だししょうゆ」「火入れしょうゆ」など幅広いラインアップを揃えている

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