ミキハウスがメルカリで高人気を呼ぶ理由
「いいものを適正な価格で売っていく。つくっている人も売れるからいいし、買った人も納得する」という木村の経営観。
商品をつくる人、売る人、そして買う人の3者が共にハッピーになる関係づくりである。
さらに子供服は着ている子供が大きくなればサイズが合わなくなり“不用”になる。
それで終わったら何とももったいないし、社会的に見てもロス(損失)である。
「子供が大きくなったからといって、すぐゴミになったらあかんのです。使った後、誰かに使ってもろうたらいいんです。また、メルカリで売るというのも1つの方法。僕とこの商品はメルカリで売れるからね」
メルカリ。誰もがネット上で簡単にモノの売り買いができるというフリマアプリである。
創業者・山田進太郎が「限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくりたい」という思いで、2013年に創設。
最新テクノロジーを使って新たな価値を生み出す「世界的なマーケットプレイスを創ろう」という事業は瞬く間に人々の間に浸透。世界中の個人と個人をつなぎ、モノのやり取りができる利便性が人々の心を掴んだ。
そのメルカリで『ミキハウス』が人気を呼ぶ。
「そう、子供が大きくなったら、その服はおチビさんですやん。それで、うちのがメルカリに出されると、すぐ売れる。そうやって皆さんがメルカリを活用されているんです」
メルカリのフリーマーケットで『ミキハウス』は上位に位置する。エルメスやシャネルといった世界の高級ブランドが並み居る中で、上位をキープするというのは立派だ。
ミキハウスの顧客も、自分の子供が成長して、自分のところでは不用になったとして、それではもったいないと次の愛用者を探し出すことができる。
大切な服を皆で共用しようという動きでもあり、文字通り“限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくる”という意識の共有化である。