2021-06-24

脱炭素化へ! ENEOSと双日が豪州で大規模ソーラー建設へ

エデンヴェール太陽光発電所の完成イメージ

石油・石炭に替わる新たなエネルギー資源の開発が急務




 ENEOSと双日がオーストラリアで大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。発電容量は20・4万㌔㍗で、豪州において日本企業が手掛けるメガソーラーの中では最大規模となる。

 両社は50%ずつを出資し、豪州東部ブリスベンから西に約300㌔入った約428㌶(約4・3平方㌔㍍)の敷地に「エデンヴェール太陽光発電所」を建設。2022年度後半の運転開始を見込んでいる。発電する再生可能エネルギー電力のうち7割は現地の電力小売会社に安定的に販売。残り3割のうちの一部を双日が現地で保有する炭鉱に供給し、CO2(二酸化炭素)の排出削減につなげたい考え。

 豪州は長く石炭火力発電の電力に依存してきたが、近年は環境負荷への配慮から、再エネへの転換が進んでいる。そうした中、双日は商社で初めて、2050年までに原料炭を含む石炭権益からの撤退を打ち出すなど、再エネ・シフトを進めてきた。そのため、「日本の1・5倍以上ある良好な日射量や広大な国土があり、豪州は成長性の高い市場」(同社)と捉えたようだ。

 また、石油元売り首位のENEOSにとっても、人口減少や電気自動車(EV)の普及などで今後、石油の需要は減少することが予想されており、再エネなど新たなエネルギー資源の開発は急務である。

 双日とENEOSはもともと、2019年から台湾の洋上風力発電を手掛けており、再エネ開発で協業関係にあった。そうした中での今回のメガソーラー建設。世界中でビジネスを展開する総合商社のノウハウやネットワークと、ENEOSが持つエネルギー開発能力を組み合わせ、競争力のある再エネの安定供給を行うことはできるか。

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