2021-06-22

【エンタメから社会課題解決まで】DX時代、DeNA新社長・岡村信悟氏が目指す社会的役割

コロナ禍で新たなスポーツ観戦スタイルを提案 ©YDB

「CEOは各事業を俯瞰して見ながら、DeNAという1つの船の中長期的な展望を導いていけるようにする」。創業20余年のベンチャーとして、事業撤退や世の中からの批判も受けながら、エンタメだけでなく、街づくりや社会システムに関わる事業も手掛ける企業になったDeNA。新社長・岡村信悟氏は同社をどうカジ取りしていくのか──。
本誌・北川 文子 Text by Kitagawa Ayako



CEOの役割も変化

「エンタメから社会課題解決まで。その両軸でユニークな特性を活かして事業をしていきたい」

 こう語るのは、今年4月ディー・エヌ・エー社長兼CEOに就任した岡村信悟氏。創業者で現会長の南場智子氏、前社長の守安功氏に続く、3代目の社長となる。DeNAは1999年「PC向けのネットオークション」で創業。2002年には「ショッピングモール」事業を開始。だが、PC向けではヤフーを超えられないと判断し、04年、いち早く携帯向けサービスに進出。「モバイルオークション」や「モバイル広告」事業を始めて軌道に乗せると、06年には「モバイルSNSのアバター」をヒットさせ、09年「ソーシャルゲーム」で急成長。12年度には売上高2025億円の企業になった。

 だが、携帯電話が〝ガラケー〟から〝スマートフォン〟になると事業は縮小。ガラケーでは「携帯ゲームのプラットフォーマー」だったDeNAだが、プラットフォーマーはアップルとグーグルに取って変わり、DeNAは一アプリ開発会社になったからだ。 

 19年度には、2010年に海外進出を図って買収した米ベンチャーの減損で、上場以来、初の通期赤字に転落。だが、翌20年度は、海外向けゲーム事業や新規事業のライブ配信サービス『Pococha(ポコチャ)』が好調で、売上高1369億円(前年比12・8%増)、営業利益225億円に復活した。

 前社長の守安氏は黒字転換と新規事業『Pococha』の海外展開の道筋を付けて社長を退任。後任社長として岡村氏が就任した。

 DeNAは、岡村氏の社長就任と同時にミッション、ビジョン、バリューを刷新。

 新たなミッションは「一人ひとりに想像を超えるDelightを」だ。

 このミッションは創業20年を迎えた19年、これまでの歴史を振り返り、社会にどんな価値を提供する企業でありたいかを見つめ直して導き出したものだ。

 Delightは2013年から打ち出しているキーワード。浮き沈みの激しいゲーム業界にあって「ゲームに次ぐ〝柱〟づくり」を図り、新規事業育成を加速させる中、世の中に〝Delight〟を提供する企業として事業の多角化を進めてきた。

 そして現在、「ゲーム」「スポーツ」「ライブストリーミング」「ヘルスケア」の4つの事業とECなどを含む新規事業を展開。今もゲーム事業の比重は大きいが、AI関連から街づくりまで幅広い領域の事業を手掛けている。

 特に、近年増えているのが他社との協業。

 任天堂とのグローバル市場に向けたゲームアプリの共同開発、東京農業大学やクボタと食農産業領域における包括連携協定、またセコム、AGC、NTTドコモとAIを活用した〝バーチャル警備システム〟などがある。

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