26歳で起業した理由
日本も豊かになり、消費者の間にも、質のいいものを求める機運が高まろうとしていた。
若者の間にも、新しい文化を追い求める気持ちが強くなりつつあった。東京・銀座に『マクドナルド』1号店が開いたのもこの年である。銀座の中央通りには、“歩行者天国”が取り入れられ、道路は車優先ではなく、人が優先するといった考え方が浸透し始めていた。
生き方・働き方が大きく変わろうとしている時に、『ミキハウス』を誕生させた木村。
未来を引っ張る子供に託する木村の思いは強い。創業から50年が経った今も、その思いは変わらない。
木村は『子どもたちの笑顔が大きく花ひらくように』と題して、次のようなメッセージを今、世界の子供たちに贈る。
「子ども時代にこそ、たくさんの世界と出会い、本物の感動を経験してほしい。
キラキラとした目でまっすぐに未来を見つめて力強くしなやかに歩んでほしい。
夢を持つことの素晴らしさと、夢に向かう努力の尊さに気付いてほしい。」
質のいい子供服・ベビー服をつくって、子供たちの健やかな成長に貢献したいという思いが、今日の『ミキハウス』を築きあげてきたのである。
(「財界」5月12日号より 敬称略)