2021-05-10

つくばセントラル病院・竹島徹理事長「病院の使命は『地域を守る』こと」

つくばセントラル病院・竹島徹理事長


いち早く自前の検査態勢を構築

 ── 自助努力の成果ですね。

 竹島 職員がコロナ関連にしっかりと対応してくれたことが大きいです。院内感染を1度も起こさなかったわけですから。院内感染を1回起こすと、消毒などで1億円の費用がかかってしまう。たまたま院内感染が起こらなかっただけかもしれませんが、職員の頑張りがベースにあることは間違いありません。

 ── 日本でコロナ感染が始まってから、どんな言葉を院内に投げかけてきたのですか。

 竹島 総論的には「地域を守る」ということです。コロナから逃げずに地域を守ろうという合言葉を投げかけてきました。特に感染対策では入院する全ての患者さんのPCR検査を昨年3月から開始しました。これは他よりも早かったと思います。

 中でも一番大事なのは看護師です。350名近くいる看護師が当院の中軸であり、病院の仕事を動かしていく中心です。この看護師が病棟の感染対策に対しても、力を合わせて動いてくれました。それから他の病院に所属する感染症専門の医師を講師として招き、当院を巡視してもらいました。院内を危険度順にイエローゾーン、レッドゾーンと色分けをしてもらい、その指示に従って対応しました。

 ── 他病院とも連携したと。

 竹島 ええ。それから当院で行っている検査方法は唾液法です。PCR検査は2日、あるいは3日と結果が出るまで時間がかかる。そこを当院では去年8月から「NEAR法(等温核酸増幅法)」というものを導入し、自前で検査をできるようにしています。人が1人いれば、即、その場で唾液を採って当院で検査し、2時間程度で結果が判るようになっているのです。

 もちろん、大量にはできませんが、外来の発熱患者でインフルエンザの疑いで来院してきた患者さんなどにも行ってきました。コロナの検査でも保健所が当初は対応していましたが、途中からは限界に近くなり、当院の医師の判断で対応することが可能になりました。

 ── 保健所の代わりの機能を果たしたと言えますね。患者さんは県外の方も多いのですか。

 竹島 病気の種類によって診療エリアが広がることがあります。例えば、がんを治療するサイバーナイフという放射線治療を受けるために県北地域や栃木県、東京都内の病院からの紹介で当院に来られる患者さんもいます。ですから、当院からは送迎バスを出しており、患者さんのご自宅までお迎えに行きます。

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