2021-04-25

ソースネクスト・小嶋智彰社長兼COOが語る「世の中にはない『あったらいいな』という製品を」

1977年東京都生まれ、神奈川県育ち。2000年京都大学文学部卒業後、米カリフォルニア大学にてマーケティングを学び、帰国後の01年にソースネクスト入社。06年執行役員、08年取締役、09年常務、12年専務などを経て、21年2月より現職。

「世の中にはない『あったらいいな』と思う製品をいち早く世に出すことが我々の使命だ」

 タイピングソフト「特打」やセキュリティソフト「ZERO」をはじめ、住所録・はがき作成ソフト「筆王」など、累計5千万本超と日本一パソコンソフトを売る。製品ごとに権限を与えるプロダクトオーナー制を敷くことで「覚悟と責任を持ってもらう」。そのためニーズにいち早く対応した製品を世に出せる。

 一例がAI自動通訳機「ポケトーク」。言葉を話して音声入力すれば、61言語に翻訳する。発売から3年未満で累計販売台数は80万台を突破。当初はインバウンド客向けに商業店舗やホテルなどでの利用を想定していたが、「学校や市役所、神社などでも使われるようになった」

 さらには新型コロナの影響を受けて横浜沖付近で停泊中の客船「ダイヤモンド・プリンセス号」における医療従事者向けにも無償提供して活躍。同じシリーズの「ポケトークmimi」は「老人ホームや病院では筆談器としても使われている」

 コロナ禍ならではの製品も登場。360度にわたって会議中の発言者に焦点を合わせる会議用カメラ「ミーティングオウル」も売れ行きは好調だ。多くの商品は海外で開発されたものだが、それを日本人のニーズに合わせて改善して進化させている。「こだわりや得意技を持つ開発者とニーズが頻繁に変わる消費者とをつなぐ役割を担う」

 米国の大学に留学中、90歳を超えても精力的な講義を行う経営学者・ドラッカー氏の姿に憧れを抱き、「何歳になっても次世代育成に貢献できる経営者・投資家になりたい」と思った。早い段階で経営に近い立場で仕事ができる同社に新卒入社。

 数々の海外企業との大型提携のプロデュースや東証マザーズ上場、東証一部への市場変更、欧州子会社の立ち上げなど、創業者で現会長の松田憲幸氏の側で経営を間近で見てきた。今後も「目利き力を生かした製品づくり」に取り組むと共に、次世代の経営者の育成に励む考え。

 休日に歴史書やマンガを読むのが一息つける楽しみだ。

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