2021-04-21

なぜソニーがEV開発なのか? モビリティ時代の“らしさ”づくり


“ソニーらしさ”を発揮することはできるか



 世界中でEVの開発が進む自動車業界。日本政府も2030年代半ばまでに全ての新車販売をEVや燃料電池車(FCV)などの電動車に切り換える方針を打ち出し、地球温暖化防止の観点から今後、従来のガソリン車は急速に縮小することが予想される。

 そのため、近年は既存の自動車メーカーだけでなく、異業種も参入。先日、石油元売り大手の出光興産がEVの開発に乗り出すとして話題になった他、米アップルや中国バイドゥ(百度)などIT企業も意欲を示しているという。

 こうした異業種が入り乱れたEV開発の流れの中にあるソニー。すでに昨年12月から技術検証のための公道走行をオーストリアで開始。同社は、あくまでもEVの開発は“将来のコンセプトを示すもの”として、市販する予定はないとしている。ただ、周囲では「いつか量産・市販するのではないか」との観測は尽きない。

「現時点で車両の一般販売の予定はないが、ソニーグループの有する要素技術を最適に組み合わせ、ソリューションビジネスに貢献することを目指している。その過程において、車両製作と共に開発・設計を進めていくことで、自動車への理解度をさらに向上させ、業界各社との連携を深めていくことが重要」(同)

 今から75年前の1946年に東京通信工業として設立されたソニー。今年4月からは社名を「ソニーグループ」へと変更し、新たな船出を果たした。

 産業構造が大きく変わろうとしている中での、ソニーのEV開発。いつの時代も独自性・独創性が求められる同社にあって、車づくりでも“ソニーらしさ”を発揮することはできるか。

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