2021-04-14

【厚生労働省】変異ウイルスも懸念される中 コロナ病床確保計画を見直し

厚生労働省は、今後の新型コロナウイルスの感染者の大幅増に備え、都道府県が策定している病床確保計画を5月中に見直すよう通知した。今冬の感染拡大では、各地で医療提供体制が逼迫したことから、1日当たりの新規感染者数が今冬のピーク時の2倍程度に増えた時などを想定し、一般医療の制限も含む緊急的な対応方針も併せてまとめ、4月中に報告することも要請。変異ウイルスの拡大も懸念される中、地域全体での備えを急ぐ。

 昨夏に各都道府県が策定した病床確保計画は、コロナ患者を速やかに受け入れられる「即応病床」と、平時は一般の医療に対応しつつ、感染が拡大すればコロナ患者受け入れに転用できる「準備病床」を設定していた。ただ、実際には「感染拡大のスピードが速いと(病床確保が)追い付いていかなかった」(田村憲久厚労相)ことから、改めて地域で議論し、すぐに使える病床を確保する。

 厚労省が都道府県に求める医療提供体制の整備は2段構えとなる。まず病床確保計画では、一般医療とコロナ対応を両立できるよう、受け入れが実際に可能な病床を最大限確保する。コロナ対応の病院だけでなく、回復したものの引き続き入院が必要な患者を受け入れる医療機関との役割分担も徹底するなど、地域全体で対応を進め、現在以上の病床を準備する。

 一方、緊急的な対応方針は、一般医療の制限につながることから、あくまで時限的な措置との位置付け。具体的な対応策としては、予定している入院や手術の延期を通じた病床確保や、宿泊・自宅療養者の健康管理の強化を通じて対処する方針を示した。ただ一般医療の制限には医療現場の抵抗も予想されるだけに、医療体制整備がどこまで進むかは不透明だ。

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