2021-04-05

【厚生労働省】中川翔子さんを起用、コロナ禍での自殺防止対策

長引く新型コロナウイルス感染拡大で深刻化する孤独・孤立問題を考えるため、関係閣僚と支援団体の代表者らの意見交換が首相官邸で開かれた。1時間の会合はフルオープンで、菅義偉首相も最後まで参加。政府関係者は「多忙な首相が会議にフル参加することは珍しい。それだけこの大きな問題に懸ける気持ちが強いのだろう」と話す。

 民間からの参加者でひときわ注目を浴びたのが、タレントの中川翔子さん。自身のいじめ体験に基づく著書『死ぬんじゃねーぞ! !』を持つ中川さんは、コロナ禍でも孤独を抱える若者らをインターネット交流サイト(SNS)などを通じて積極的に支援している。

 会合では、悩む人たちに向け、「『孤独じゃない。つながっている。息をしてくれているだけでうれしい』と伝えたい」と独特の言い回しで訴えた。

 他にもNPO法人「あなたのいばしょ」大空幸星代表は、自身の団体のちゃっと相談窓口に寄せられた相談件数が、若者を中心に1日200件超となっていることを踏まえ、「孤独とは何か。しっかり定義を定め、問題の源流にアプローチする政策でないといけない」と指摘。自殺防止のための支援を行うNPO法人の清水康之代表は菅首相に対し、「市町村に最後はどうつなぐかが重要なカギだ」とした上で、「市町村長に対しても一緒にやろうと呼び掛けてもらえれば」と呼び掛ける場面もあった。

 自殺対策を担う厚労省幹部は中川さんの起用理由について、「若者に刺さる真っすぐな訴え方ができるところが買われたのだろう」と推察。昨年の自殺者が11年ぶりに増加に転じる中、この幹部は「今こそ『死ぬんじゃねーぞ! !』というメッセージを政策で示すことができるように、省庁も垣根を越えて考えなければいけない」と気を引き締めていた。

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