2021-04-09

ドワンゴを短期間で立て直し 夏野剛氏がKADOKAWA社長に

KADOKAWA社長に就任する夏野剛氏

6月の株主総会を経て、KADOKAWA 社長に夏野剛氏が就任する。

 夏野氏といえば、NTTドコモの『iモード』の生みの親。
 また現在もセガサミーHD、トランス・コスモス、グリー、USENNEXTHOLDINGS、日本オラクル、Ubi com ホールディングスなど社外取締役としても活躍。 2019年からは、KADOKAWA 傘下のドワンゴ社長に就任、業績をV字回復させた。

 今回の社長就任理由も「DXへの深い見識とドワンゴの構造改革を短期間で実行した行動力が評価された」(KADOKAWA)という。今後も「変化し続ける事業環境により柔軟に対応しながら、改革が推進されることを期待されている」。

 KADOKAWA の21年3月期は売上高2080億円、営業利益145億円の見通し。第3四半期までの業績は過去最高益を更新するなど好調。通期連結業績見通しも上方修正している。

 KADOKAWA の事業は「出版」「映像・ゲーム」「Web サービス」とあるが、巣ごもり需要で出版事業の好調が続いている。

 また今年2月にはサイバーエージェントとソニーから約50億円、計100億円の出資を受けると発表。キャラクタービジネスなど知的財産(IP)の活用を加速させている。

 コロナ禍で開業が遅れたが、約400億円かけた『ところざわサクラタウン』も20年夏から開業。建築家の隈研吾氏が設計した『角川武蔵野ミュージアム』ではKADOKAWA グループのマンガやライトノベル約2万5千冊を読める図書館や展示室を設置。その他、サクラタウン内には劇場、ホテル、書籍の製造・物流工場も併設。少部数の書籍でも低コストで印刷できる機器を導入したり、返品率を低下させるなど、構造不況に陥る出版事業の収益改善も進めている。

 また、今回、新たに43歳の周欣寧氏が取締役に就任。周氏は台湾角川などグループの海外事業に多く携わってきた実績がある人物で、グループの重要テーマである海外戦略に「グローバルな視点で経営に携わっていくことを期待している」(KADOKAWA)という。

 今期からスタートした中期経営の目標は「グローバル・メディアミックスとIP価値の最大化」。外国人取締役を含めた新経営陣、またソニーやサイバーエージェントなど新たな株主と共にインターネット時代の新たな出版社のビジネスモデルの構築を進めている。

DeNA社長に総務省出身の岡村慎吾氏

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